来たるべきデジタル通貨について、その詳細を開示し続けているロシア連邦中央銀行だが、今度はデジタルルーブルの取引に手数料を課すことを計画しているとの報道が流れた。
ロシア中銀の中央銀行デジタル通貨(CBDC)取引の手数料は、電信送金の手数料よりも低くなると、ロシア中銀金融技術部門の責任者であるキリル・プロニン氏は述べた。
現地メディアのプライムは、17日、プロニン氏が、CBDC取引の手数料は、個人が銀行間で即座に送金できるサービスであるロシアの即時送金システム(FPS)内で定められている手数料よりも高くなることはないと力説したと報じた。
2019年にサービスを開始したFPSシステムでは、最大10万ルーブル(1,360ドル)まで手数料なしで送金することができる。10万ルーブルを超える送金に対しては、送金金額の0.5%に相当する手数料が課されるものの、その上限は一回の送金につき1,500ルーブル(20ドル)までとなっている。
ロシア中銀は2022年初頭に初めてとなるデジタルルーブルの試験運用を開始する予定である。デジタルルーブルは、現金、非現金と並んで第3の通貨として機能すべく設計されており、決済サービスにおけるコスト削減の可能性は、デジタルルーブルの主要なメリットの1つとしてこれまで大々的に宣伝されている。
ロシア中央銀行のエリヴィラ・ナビウリナ総裁は、CBDCの導入は、政府がビットコイン(BTC)のような民間の仮想通貨に取って代わる良い選択肢となるはずだと考えている。 伝えられるところでは、同総裁は、18日、ロシア連邦議会の下院で「責任ある政府は仮想通貨の採用を推進すべきではない」と主張したとのことである。
ナビウリナ総裁は仮想通貨について、匿名であること、信用の裏付けとなるものがないことを理由に激しく非難しており、次のように述べている。
「私たちは、民間の仮想通貨をお金であると主張することに対して非常に否定的なスタンスをとっていることに変わりはない。しかし、国民が通貨に代わるものを必要としている以上、私たちはプロジェクトを推進することでこの課題に取り組んでゆく必要がある。すでにお話ししたように、デジタルルーブルを開発する必要があるのだ」。