バンク・オブ・アメリカ(BoA)が、顧客が預託した仮想通貨を保管するための企業向けシステムに関する特許を取得した。米国特許商標局が11月13日に公表した。

14年6月中旬に申請されたこの特許は、発明の背景として「技術の進歩に伴い仮想通貨の関連する金融取引がより一般的になった」と述べ、次のように指摘している。

「企業によっては、顧客が預託した仮想通貨を1つの法人口座に統合することが望ましい場合がある」

この特許申請は、顧客の保有する仮想通貨と法人口座の間のさまざまな相互作用について、顧客の預託する仮想通貨を安全に保管(または「統合」)するための最新の機能を引き合いに出し、概要を説明する。その内の1つの案では、法人口座自体が顧客の代わりに取引を扱えるようにし、必要に応じて当該顧客口座からの出金、または口座への入金を行う。

この目的において、当該特許は顧客口座に付属する秘密鍵の保管、公開鍵の決定、および保管のための「金庫の鍵」の生成方法ついて概要を説明している。

その他の例では、顧客の仮想通貨を1つの法人口座に統合することで、企業の顧客が通貨を変換するために第三者の取引所を使う必要性が「なくなる」可能性があるとしている。それにより、「仮想通貨の購入や法定通貨との交換が簡素化され、それらの取引に伴う手数料を削減できる」とする。

この目的を達成するため、企業の仮想通貨サーバーがネットワークを通して第三者の仮想通貨取引サーバーと通信することができる事例について、この特許申請は概要を説明する(OKコインとビットスタンプが事例として挙げられている)。

またこの特許では、仮想通貨と法定通貨の交換についても取り上げている。当該システムが「基本的に同時に行われる」交換を開始することで、「最初の通貨を2番目の通貨に交換する際に発生する多数の交換率と、最適な交換率を決定」することができると説明する。

バンク・オブ・アメリカはこれまでに50件を超えるブロックチェーンおよび仮想通貨関連特許を申請してきた。それにも関わらず、公にはビットコイン(BTC)などの分散型暗号資産に対しては批判的な立場を取っている

同銀行が10月30日に取得した最近の仮想通貨関連特許は、現在のシステムは改ざんを防ぐには不十分であるとの視点から考案された、秘密鍵の保管方法に関するものだった。