オーストリアの大手携帯事業者、A1テレコムは、19日から一部の店舗での仮想通貨による支払いを受け入れ始めた。今回は試験的な導入で、仮想通貨支払いの需要や効果を検証していく。A1テレコムが16日に発表した

ビットコインなど6通貨に対応

今回の仮想通貨支払いで対応する通貨は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)XRP(リップル)ライトコイン(LTC)ステラ(XLM)ダッシュ(DASH)だ。

首都ウィーンなどの7つの店舗で試験的に導入する。A1テレコムの顧客はサービスの購入時に選択した通貨の固定レートで支払うことになる。価格変動のリスクはサービス提供者側が受け入れ、店舗側にはユーロ建てで支払われる形になる。

今回のA1テレコムの仮想通貨受入れは6月にその構想を発表しており、今回試験導入に至った。支払いサービスは、オーストリアの仮想通貨企業サラマンテックス、ドイツのキャッシュレス事業者のコンカルディス、フランスの決済ソリューション企業インジェニコと協力して開発した。

「現金は時代遅れのモデル」

A1テレコムは、発表の中で「オーストリアではモバイル決済が徐々に確立されつつあるが、デジタル通貨の受け入れはまだ国際レベルに達していない」とし、観光客やビジネス旅行者ではデジタル通貨の受け入れの需要があると感じているという。

A1テレコムのデジタルマーケティング責任者は、発表の中で次のように述べている。

「デジタル通貨による支払いは国際的にますます普及している。現金は時代遅れのモデルだ」

今回の試験導入では、取引の安全性や消費者の需要について検証していく考えだ。A1テレコムは「選択されたA1ショップから始め、多段階にわたるトライアルを実施していく」という。

またA1テレコムではモバイル決済拡大に向け、アリペイやウィーチャットペイによる支払いも8月下旬から導入していくとしている。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版