仮想通貨(暗号資産)マイニング機器を手掛けるビットメイン(Bitmain)は、北米でマイニング機器のメンテナンスの資格認定プログラム「アント・トレーニング・アカデミー」を開始する。中国以外の地域でこの資格認定プログラムを開始するのは初めてだ。
5月28日の発表によれば、米国のマイニングホスティングプロバイダーであるコア・サイエンティフィック(Core Scientific)と提携して、北米でプログラムを実施する。
最初のコースは、2020年秋から開始する予定だ。新しいトレーニングアカデミーは、米ジョージア州ダルトンにあり、中国と同じレベルの「トレーニングと認定サービス」を提供するという。
オンサイトでの修理が鍵に
このプログラム開始で、米国でのマイニング事業にも大きな影響を与える可能性がある。これまでは、ビットメインのメンテナンスコースは、中国・深センで行われていた。
認定が完了すれば、ビットメインに交換部品をオーダーできるようになる。コア・サイエンティフィックの元CTOクリスティ・レイ・ミネハン氏の説明によれば、この認定は「マイニングファームから切望されているもの」だという。
多くのマイナーでは、デバイス全体に影響を与えるチップの故障が頭痛の種だ。部品を交換できるようになれば、3時間で修理が完了すると、ミネハン氏は説明する。メーカーの保証プロセスならば、3ヶ月かかる場合もあるという。
このため、中国を拠点とするマイナーは競争上の優位性を持っていたが、米国でも同様の認定資格を得ることができるようになれば、競争環境も変化するだろう。
米国でのマイニング業界
世界のハッシュレートのほぼ3分の2を中国が占めている状況だが、米国を拠点とする仮想通貨マイニングは成長し続けている。
米仮想通貨マイニング企業のライオット・ブロックチェーン(Riot Blockchain)は、半減期後にハッシュレートを2倍にする計画だ。またビットメイン自体も、米テキサス州ロックデールでマイニングファームを運営している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン