キャシー・ウッド氏率いる投資会社ARKインベストが、米国の新たな貿易関税措置を受け、現物型ビットコインETFの一部を売却する一方で、コインベース(COIN)の株式を積極的に買い増している。

コインテレグラフが確認した取引データによると、トランプ米大統領が4月2日に新関税を発表して以降、ARKは合計2660万ドル相当のコインベース株を取得している。その内訳は、4月4日に1330万ドル、4月7日に1320万ドルの購入となっている。

一方で、コインベースへの強気姿勢とは裏腹に、同日ARKは自社のビットコインETF「ARK 21シェアーズ・ビットコインETF(ARKB)」を1200万ドル分売却している。ARKBは、2024年1月に米国でローンチされたビットコインETFのひとつだ。

今回の売却は、ARKの「ネクスト・ジェネレーション・インターネットETF(ARKW)」によるものであり、ARKBとしては最大規模の1日あたりの売却となった。

これに先立ち、ARKWは3月3日に800万ドル分のARKBを売却しており、2月にも860万ドル、さらに1月にも合計350万ドル分を売却していた。

関税発表による売り圧力広がる

今回のARKによる売買は、仮想通貨市場全体に売りが広がる中で行われた。コインゲッコーのデータによれば、関税発表直後のビットコイン価格は一時11%下落し、7万4700ドルにまで急落している。

SoSoValueのデータによると、先週には世界のビットコイン関連上場商品(ETP)から2億700万ドルの流出が記録されており、4月7日にはさらに1億900万ドルが流出している。

過去3取引日だけでも、ビットコインETFは合計2億7300万ドルの資金を失っている。