アニモカ・ブランズは、2024年の売上予約が3億1400万ドルに達し、前年同期比12%増となったことを報告した。

売上予約とはゲーム業界でよく使われる指標で、実際の売上収益と未履行の契約に基づく将来的な売上を含めた総額を指す。

アニモカ・ブランズによると、2024年の売上予約のうち、デジタル資産アドバイザリー(DAA)部門が1億6500万ドルを記録し、前年から116%増加した。また、子会社およびインキュベート事業による売上予約は1億1000万ドルとなった。さらに、投資活動からの収益は3900万ドルに達した。

2023年の売上予約が2億8000万ドルであり、2024年の3億1400万ドルは前年比12%の増加となる。

米国市場の好調を背景にさらなる成長を予測

アニモカ・ブランズの共同創業者兼会長であるヤット・シウ氏は、コインテレグラフの取材に対し、「売上予約の増加は、継続的なイノベーションの成果である」と語った。

同社は従来の事業から大きな収益を得ているが、アドバイザリーサービス、現実世界資産(RWA)プロジェクト、そしてスタンダードチャータード銀行や香港電訊とのステーブルコイン事業といった新たな成長分野にも進出している。

2025年も引き続き成長が続くと見込んでおり、その背景には米国の政治的環境の変化があると指摘した。シウ氏は、トランプ大統領による関税導入などの経済リスクに懸念を示しつつも、「市場動向は長期的視点で見ることが重要」と強調した。

同社の事業の中で最も大きな成長を遂げたのがデジタル資産アドバイザリー(DAA)部門だ。

シウ氏は、DAAについて「Web3のネットワーク効果の実用的な成功例」と表現し、ポートフォリオ企業を支援するために設立されたアドバイザリー事業が、売上予約の増加を牽引したと説明する。

AI活用と最適化でコスト12%削減

アニモカ・ブランズは、2023年の営業費用が2億4600万ドルだったのに対し、2024年は2億1700万ドルまで削減し、12%のコストカットを達成した。この削減は、2023年後半から開始した業務最適化と、新たに導入した人工知能(AI)ツールによるものだという。

シウ氏はコインテレグラフに対し、「仮想通貨市場と世界経済の変化を受け、2024年は米国市場への依存を減らし、ポートフォリオ企業への支援により注力した」と語った。

また、同社はAIを投資判断、ゲーム開発、コスト最適化など多方面で活用しており、「社内で培った経験やスキルをAIエージェントに学習させている」とも述べた。