仮想通貨企業アンバーグループは、ブロックチェーンに特化したベンチャーキャピタルであるフェンブシ・キャピタル)主導する3億ドルのシリーズC資金調達ラウンドを新たに完了したと発表している。
今回の資金調達は、アンバーがFTXの破綻により、これまでのシリーズBの資金調達を一時停止し、代わりにシリーズCを進めることを決定したことによるものだ。
FTX破綻に先立ち、アンバーは30億ドルの評価額でシリーズBの延長を完了させる過程にあった。同社はシリーズBの資金調達の一環として1億ドルを調達する予定で、2023年1月までにラウンドを完了させることを目標としていた。2022年12月中旬時点で、アンバーは同ラウンドで5000万ドルを調達している
今回のフェンブシからの資金調達は、FTX破綻の余波で、アンバーの特定商品の「著しい縮小」に対応することを目的としている、と同社は述べている。
「そのため、資金調達の戦略を調整するために迅速に対応した」とアンバーは指摘し、同社は今後、一般消費者向けの取り組みや「必要ないビジネスライン」を縮小し、コアビジネスに集中することも明らかにした。そのため、アンバーは欧州と米国への事業拡大計画を中止し、メタバース関連のプロジェクトも中止している。
アンバーは、FTX破綻時にトレーディング資金の約10%をFTXに預けていたが、FTX問題が同社の日常業務に影響を与えていないことを改めて強調した。
また、FTX問題の波及により、一部の従業員を解雇せざるを得なかったことについても言及した。「これらは簡単な決定ではなく、残念ながら、多くの優秀な同僚に別れを告げなければならなかった」という。一部の報道によると、アンバーは2022年9月に最大40%の従業員をレイオフしたほか、12月にも従業員を一部解雇しているという。