ビットコイン(BTC)が10月に10%下落したにもかかわらず、カプリオール・インベストメンツの「アルトコイン投機指数」は25%前後で横ばいを維持している。
これはアルトコイン市場がBTCと同様に崩れていないことを意味し、慎重なマクロ環境下でも投資家が選別的に高リスク資産へ回帰しつつある可能性を示している。
リスク選好回復の初期シグナルか
アルトコイン投機指数は、オンチェーン指標やユーティリティを持たない投機的アルトコインが、暗号資産市場全体の時価総額に占める割合を追跡する。
歴史的に、この指数が低水準にある局面は、市場の底値と一致しやすい。投機が後退し、価値重視の積み上げが始まるタイミングであるためだ。現在の25.4%という数値は、強い熱狂局面(通常60%超)には程遠く、リスク選好が過熱する余地が依然として大きいことを示している。
一方で、カプリオールの「CryptoBreadth50」と「CryptoBreadth200」は、それぞれ11.2%と6.3%。主要仮想通貨のうち、50日線や200日線を上回っている銘柄はわずかである。こうした市場参加率の低さはリスク回避姿勢が続いている表れだが、BTCの反転上昇が起これば広範な回復の前兆となることも多い。
また、ビットコインとイーサリアムを除く時価総額であるTOTAL3は、史上最高値からわずか17%下に位置しており、アルトコイン市場の底堅さを裏付けている。
総じて、投機は抑制され、広がりも弱い。しかし、センチメントとアルトコイン価格が一定の耐性を示している状況は、スマートマネーが次の拡大局面に向けて静かにポジションを取り始めている可能性を示唆している。
アルトコインシーズンは近づいてるか?
過去6か月でビットコインのドミナンス(市場占有率)が7%以上低下し57.8%となったことを受け、「アルトコインシーズン」が近づいているのではないかという議論が再燃している。
アナリストのマシュー・ハイランド氏は、ビットコインの市場シェア低下は勢いの減退を示すもので、最近の反発について「下降トレンドにおけるデッドキャットバウンス」と表現した。
ハイランド氏は、ビットコインの価格変動の一部は「伝統金融機関が次の主要局面に向けてポジションを調整するための操作」である可能性にも言及している。
その一方で、アルトコインシーズン指数は41/100と低迷しており、依然として「ビットコインシーズン」に分類される状況だ。ただし、ハイランド氏は、次のアルトコインサイクルが2017年や2021年のような過剰投機相場とは異なる形になる可能性を指摘している。
ファイナリティ・キャピタルのカマル・モケッデム氏によれば、広範なアルトコインバブルが起きていないのは衰退ではなく「成熟」の表れだという。モケッデム氏は、アルトコインが「投機的なチップからビジネスの基盤的要素へと進化しており、Web3採用を業界全体で押し上げている」と述べている。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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