中国決済プラットフォームのアリペイは先月、同国中央銀行のデジタル通貨(CBDC)「デジタル元」関連の数々の特許を取得し、詳細を発表している。CBDC発行におけるアリペイの役割の大きさがうかがえる。同国メディアのInterchain Pulseが3月23日に報じた。

最初の特許は2月21日に公開された。アリペイが通貨発行においてサードバーティのオペレーティングエージェントとして関与する可能性が高いことが伺える。これにより、アリペイは商業銀行と同等の立場となるとみられる。

また、最も重要なポイントとされるのは、ブロックチェーン技術そのものに頼ることなくブロックチェーン基盤の通貨を追跡できる機能だ。

トランザクションは、各当事者に対し、実行指示が分割される。各実行指示の実行優先度も付随する。その実行指示が保存されて順番に実行される。保存された指示リストをたどることで、ライフサイクル全体に渡ってトランザクションが追跡できるという仕組みになっている。

2月28日に発行された関連特許は、二次発行者とともに中央銀行が導入するフロントエンド暗号メカニズムの詳細で、二次発行とトランザクションを監視し、ブロックチェーンのノードの形式に類似している。

違法行為のアカウントを制限

2月25日にアリペイが公開した特許は、「デジタル通貨アカウントの管理メソッドとデバイス」で、運営代理機関でインストールされた管理するデバイスを規制当局が提供する。管理者らが疑わしいアカウントを制限できるようになっているという。ターゲットとなるアカウントのブロックや資金の凍結といった制限が可能になるという。

また、2月28日には、異なる種類のデジタル通貨用ウォレットにも言及した特許を発行している。ウォレットにはいくつかの異なるタイプがあり、ユーザーがどのタイプを持っているかを識別する方法を指定している。この特許では、トランザクションの使用頻度や量、場所といった行動データが指定されている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン