数十億ドル規模の詐欺的仮想通貨スキーム「ワンコイン(OneCoin)」の共同創設者であるカール・セバスチャン・グリーンウッド氏は、米司法省(DOJ)が起訴した複数の犯罪について有罪を認めた。同氏は最大60年の懲役刑を科される可能性がある。

司法省は12月16日、グリーンウッド氏がニューヨークの連邦裁判所で、詐欺やマネーロンダリング共謀の罪で有罪を認めた発表した

司法省は、グリーンウッド氏が「これまでに行われた最大の国際的詐欺計画の1つ」を運営し、ワンコインを「Bitcoin killer」として宣伝したが、実際にはトークンは「全く価値がなかった」と指摘している。

ワンコインは、グリーンウッド氏がルジャ・イグナトヴァ氏とともに設立したブルガリアの企業で、同名の仮想通貨を販売していた。2014年の設立前に司法省が入手した2人の間の電子メールでは、2人がそれを「くずコイン」と呼んでいたという。

2016年のロンドンでのイベントに立ったグリーンウッド氏. Image: YouTube

外見上はマルチレベルマーケティング会社で、メンバーはワンコインなどの仮想通貨パッケージを販売することでコミッションを得ていると主張していた。ワンコインは、Xcoinxというプライベートな取引所でのみ法定通貨と交換することができた。

実際のところ、これはマルチ商法・ネズミ講の類だった。投資家は実際の商品がなくても他の投資家を勧誘することができ、投資家への支払はほかの投資家からの資金で補われていた。

司法省によると、グリーンウッド氏は、詐欺スキームの「グローバル・マスター・ディストリビューター」としての役割を担っており、毎月約2120万ドルの収入を得ていたとのことだ。ワンコインは、パッケージに投資した300万人から40億ドル以上をだまし取ったと考えられている。

もう1人の創業者であるイグナトヴァ氏は現在も逃亡中だ。同氏はこの詐欺スキームで重要な役割を果たしていたたとして、今年6月にFBIの最重要指名手配リストに掲載されている。同氏は2017年10月にギリシャのアテネに渡航したことが確認されているのが、これが最後の情報だ。

グリーンウッド氏は2023年4月5日に判決を受ける予定となっている。

他の国の当局もワンコイン関係者を起訴しており、3人の関係者が詐欺とマネーロンダリングの罪でドイツで起訴されている