ウィンクルボス兄弟が運営する仮想通貨取引所Gemini(ジェミナイ)は、4億ドルの資金調達ラウンドを完了した。同社は、この資金の一部を使い、「メタバースでのGemini体験」を構築するという。
Geminiは、11月18日に4億ドルの資金調達ラウンドを完了させたと発表した。企業評価額は71億ドルとなった。今回の資金調達は同社が外部から資金調達を行った初のケースになるという。モルガン・クリーク・デジタルがこの資金調達を主導し、10T、ParaFi、Newflowパートナーズなどが参加した。
資金調達ラウンドに参加した1社であるオーストラリア・コモンウェルス銀行は最近、Geminiと提携して仮想通貨取引サービスを開始している。同行はオーストラリアで初めて仮想通貨をサポートする大手銀行となった。
「今回の資金調達により、Geminiは引き続きシンプルで革新的で安全な製品を市場に投入し、地域的な拡大を進めていく」と、発表の中でGeminiは述べている。
11月18日に公開されたフォーブスとのインタビューの中で、タイラー氏とキャメロン氏の2人の兄弟は、Geminiがメタバース領域へと拡大する計画があると明らかにしている。タイラー氏は、複数のメタバース空間で取引できるようになる構想を説明した。
「様々なメタバースでGemini体験を構築する。ここではGeminiにアクセスして取引できるが、それは携帯電話ではなく没入型のものになるだろう」
ウィンクルボス兄弟のメタバースへの意欲は、最近社名を「メタ」に変更したフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏との過去の戦いを想起させるものだ。兄弟は2004年にザッカーバーグ氏を訴えている。これはフェイスブックが、自分たちのアイデアを盗んだと主張するもので、裁判は2011年に和解という形で終結している。
キャメロン氏はフォーブスとのインタビューの中で、「フェイスブックやフォートナイトのような」企業による集中型のメタバースとは異なり、Geminiはユーザーに大きなメリットをもたらす分散型メタバースを目指したいと語った。
「別の道が存在する。それは分散型メタバースであり、それはより大きな選択肢、独立性、機会があるとメタバースであり、個人の権利と尊厳を保護するテクノロジーがある」