仮想通貨(暗号資産)取引所OKExが昨日仮想通貨の引き出しを一時停止すると発表する前に、創業者が警察当局によって取り調べを受けていたと中国メディアが報じた。ただ仮想通貨ビットコイン(BTC)の下げ幅は限定的であり、市場関係者からは押し目買いを狙う機会という声も出ている。

逆に押し目買いのチャンス?

OKExの出金停止発表直後にビットコイン(BTC)価格は下落したが、下げ幅は限定的だった。執筆時点で過去24時間のビットコインは2%の下落にとどまっており、1週間では2%上昇の11,300ドル付近で推移している。市場関係者が注目する11,000ドルを上回って推移していおり、強気相場は崩れていないようだ。

仮想通貨トレーダーのウィリー・ウー氏は、「OKExの調査=わずかな沈み」だったと指摘。「FUD(みんなが信じていることに反するような情報を広めることでみんなの認識に影響を与えようとする試み)が毎回起こるたびに沈み具合がさらに小さくなっている」とし、「強気相場の確固たるサインだ」と述べた。

「押し目買いをしよう。長い目線でプレーしよう」

フォビから巨額送金

OKExが出金停止を発表して以降、仮想通貨取引所フォビからOKExに合計1995BTC(約21億円)が2回に分けて送金された。ホエールアラートがツイッターで指摘した。この1995BTCは出金停止の間引き出せないことから、送金者の意図は不明である。

ブロックチェーン分析のChain.infoによると、OKExは現在27万6184BTCをホットウォレットやコールドウォレットなどを介して保有。執筆時点までの24時間で6269BTCが出金された。

(出典:Chain.info 「OKExのビットコイン保有額と1日当たりの流入・流出額」)

創業者が事情聴取の報道

OKEx創業者のMingxing Xu(ミンシン・シュー、通称スター・シュー)氏は、「少なくとも1週間前」に警察によって取り調べを受けていたという。中国メディアCaixinが報じた。シュー氏はしばらく出社していないそうだ。

警察によるシュー氏の取り調べの進捗について、OKExはコインテレグラフ に対して「OKExは、シュウ氏が幹部を務めるOKグループと一切の関わりがないため、コメントをする立場にない」と回答した。

10月16日、OKExは仮想通貨の出金停止を発表。秘密鍵の保有者の1人が、進行中の「調査」に関連して「現在公安当局に協力している」ため、取引所側で関連する承認が完了できないと説明していた。

また、出金停止に関してOKExは利用規約を引用して決定したと説明しており、顧客資産の安全については「影響がないことを保証する」と述べていた。OKExのジェイ・ハオCEOは、「ユーザーの安全性を考慮して」出金停止措置に踏み切ったと述べた。

「世界最大級の仮想通貨取引所としてユーザーのセキュリティはOKExが妥協できないし妥協したくないことだ。サービスの速やかな再開に向けてできることを全てやる。すぐに進捗についてアップデートする」

OKExは、出金停止措置の進捗に関してコインテレグラフに対して次のように話した。

「現在行われている調査の性質に関して開示することはできないが、全てのOKExのユーザーに対して彼らの資金は安全で全てのOKExのシステム機能は影響を受けていないということを保証したい」

翻訳・編集 コインテレグラフ ジャパン