ビットコインキャッシュ(BCH)の保有者は、11月15日に予定されているハードフォークに先立ち、大急ぎで仮想通貨取引所にコインを預けようとしている。
チェイナリシスによると、この1週間で約1億4000万ドル(約147億円)相当のビットコインキャッシュが取引所に流入しており、11月の流入額は合計で3億ドルにのぼる。11月のはじめ以来、156万BCHが取引所に移動している。
そのため、過去12日間に取引所に流入したBCHは、ビットコインキャッシュの供給量全体の6.4%にも相当する。

仮想通貨ウォッチャーからは、ビットコインキャッシュの保有者がハードフォーク前に売却するための動きではないかとの見方も出ているが、チェイナリシスのデータはビットコインキャッシュの取引頻度が10月下旬以降、ほぼ横ばいであることを示している。
11月15日に予定されているハードフォークは、ビットコインキャッシュノード(BCHN)側が優位であるとみられている。BCHNは8月以降、ビットコインキャッシュのコミュニティ内部での緊張がエスカレートする中で頭角を現した、コミュニティ主導のBCHの実装だ。
今年8月、ビットコインキャッシュで支配的な実装だったビットコインABCは、11月のアップグレードに「コインベース」ルールを導入すると発表した。これは、新たにマイニングされたBCHの8%を開発基金に転用するというものだ。
これに対して、BCHNはすぐに抗議し、ビットコインキャッシュのプロトコルを維持することを主張した。BCHNを実行しているノードは、過去7日間でビットコインキャッシュのブロックの83.6%をマイニングしており、ビットコインキャッシュの将来がBCHNの手に委ねられていることを示唆している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン