オンライン会議ツール「Zoom」を提供する米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズは17日、同社アプリにエンドトゥーエンド暗号化(E2EE)を導入したと発表した。有料、無料アカウント問わず提供される。これまでは有料アカウントのみに提供されるとしていた。

新型コロナウイルスによって、大きく普及したZoomだが、3月に安全性をめぐる問題が発覚。同社はセキュリティ対策を進めていた。

今回導入されるE2EEは通信の秘匿性が高いことが特徴だ。利用者のみが鍵を持つことで第三者が通信内容を盗聴することができないようになっている。

発表によると、7月からベータ版が提供され、ユーザーは電話番号認証が求められるようになる。不正アカウントの大量発生を防ぐ目的があるという。

「ユーザーへの報告機能を含む現在のツールとリスクベースの認証を組み合わせることで、悪用を防止できると確信している」

E2EEはオプション機能

一方でE2EEの導入は、PSTN電話回線やSIP/H.323ハードウェア会議室システムなどの従来の機能を制限するものになると指摘。そのためE2EEはオプション機能になる。アカウント管理者が、アカウントおよびグループレベルでE2EEを有効または無効にできる。

Zoomは5月7日にステラ開発財団が資金提供する通信データの暗号化技術を持つ米スタートアップのキーベース(Keybase)の買収を発表。有料会員向けに暗号化機能の開発を進めていた。