ビットコインのユーザーは間もなく、ゼロ知識証明を使って、個々のブロックやブロックチェーン全体の検証プロセスを迅速化できるようになるようだ。ゼロ知識証明とは、ある事実が真実であることを、必要な情報を開示することなく証明する暗号技術の総称。

スイスに拠点を置く非営利団体「ゼロシンク協会」が、プロトタイプを作成しており、ブロックチェーン全体をダウンロードしたり、検証のために第三者を信頼したりすることなく、ユーザーがビットコインネットワークの状態を検証できるようにする。

ゼロシンク協会は、ビットコインブロックチェーン上で簡潔なゼロ知識証明を可能にするオープンソースソフトウェアを開発・維持するために結成された。同グループは、スタークウェア社独自のZero-Knowledge Scalable Transparent Argument of Knowledge(zk-STARK)を使って、ビットコインネットワークにゼロ知識証明を生成する。これによって、ブロックチェーンのノードをダウンロードする時間が短くなり、ほぼ瞬時に検証できるようになるという。

ゼロシンク協会の発表では、大規模な計算を検証する「almost-fixed-size」の証明を提供することで、ブロックチェーンのスケーラビリティとプライバシーに対するゼロ知識証明の有望性を強調している。

ツールは、現在プロトタイプの段階で、スクリプトを除くすべてのビットコインのルールを検証する、個々の有効ブロックの有効性を証明する機能を備えている。また、ビットコインブロックのSTARK証明のためのブラウザ内デモ検証機も動作している。