仮想通貨ビットコイン(BTC)用ウォレット「Zap(ザップ)」を展開しているザップ・ソリューションズの創設者ジャック・マラーズ氏は9月19日、ライトニングネットワーク(LN)を利用し、法定通貨によるBTC購入からBTC少額決済(マイクロペイメント)までを数秒間で行えるサービス「オリンポス(Olympus)」(ベータ版)を発表した。「fiattolightning.com」で登録が行えるほか、米国内対象に数ヵ月後に正式に公開することを目指しているという。

LNは、BTCのスケーラビリティー問題や手数料高騰問題を解消する技術で、BTCのブロックチェーンネットワーク(オンチェーン)を介することなく、二者間での取引を行える小額決済を可能にする。また、LN普及によるプライバシーの改善を期待しているビットコイン開発者もいる。

オリンポスは、Zapをはじめ、さまざまなウォレットから呼び出せる外部サービスとして開発。ユーザー登録、決済処理、市場リスク管理、BTC移動などを行えるという。ウォレットユーザーにとってはオリンパスはあくまでオプション機能であり、オリンパス利用者のみKYC(本人確認)やAML(アンチ・マネーロンダリング)対策への準拠が必要となるそうだ。

また、LNを利用した少額決済、オンチェーンの資金とオフチェーンの資金を交換する「サブマリンスワップ」、オンチェーンからの(LN上への)移動などの方法でBTCを扱えるという。即時に少額決済まで行えるように、ギフトカード購入サービス企業「ビットリフィル(Bitrefill)」が採用し注目された「ターボ・チャネル(Turbo channels)」を利用しているそうだ。

マラーズ氏は、LNを利用する際、法定通貨でBTCを購入してから、LN上にBTCを移動させて実際にチャネルを介して決済を行うまで、多くの手順が必要な点を問題視。しかし、銀行口座に連動しているデビットカードを使ってBTCを購入し、さらにLNを使った少額決済までを手軽に行えるアプリやシステムを構築するには、BTCやLNの技術的な知識、仮想通貨関連法令・規制の知識、市場や取引およびリスク管理などさまざまな専門知識と対応能力が必要な点を指摘した。

同氏は、「BTCを利用したことがない者でも、デビットカードでBTCを購入、LN上に直接移動させ、少額決済を行うまでを数秒間で行えるようになるはずだ」と説明した。

仮想通貨取引所コインベースや仮想通貨決済のビットペイなど大手企業の対応を待つしかないのかと疑問を投げかけ、約1年前にオリンポスの開発に着手したことを明かした。

「コインベースとビットペイがLNをサポートするのを待つのか? ゴールにたどり着けるようになるまで、クローズドソースのエリートに任せるのか?」

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版