XRP市場に警戒シグナルが点灯している。週足チャートに弱気のテクニカルパターンが浮上し、加えて米国の関税導入を控え、マクロ経済的な圧力が重なっている。
下降トライアングルパターンは40%下落を示唆
2024年末の上昇局面以降、XRPの週足チャートには下降トライアングルパターンが形成されつつある。これは、水平なサポートラインと下降傾向のレジスタンスラインを伴う構造だ。
下降トライアングルは、強い上昇トレンドの後に出現する場合、一般的に弱気転換のサインとされており、価格が水平サポートを割り込むと、三角形の最大の高さ分だけ下落する傾向がある。
XRP/USD weekly price chart. Source: TradingView
3月28日時点で、XRPはこのサポートラインをテストしており、下方ブレイクアウトの兆しを見せている。この場合、価格は約1.32ドルの下値ターゲットに向かう可能性がある。これは現在の水準から40%の下落となる。
この下降トライアングルの下落ターゲットは、著名トレーダーであるピーター・ブラント氏の予測と一致する。同氏は、日足チャートに「教科書通りのヘッド&ショルダー」が出現しているとして、1.07ドルまでの下落の可能性を警告している。
XRP/USD daily price chart. Source: Peter Brandt
一方で、トライアングルのサポートラインから反発した場合には、上限トレンドライン付近の2.55ドルを目指す展開も考えられる。このレジスタンスを明確に突破すれば、弱気構造は否定され、再び3.35ドルの高値圏への上昇が視野に入る。
トランプ関税がXRPの売り圧力を強める可能性
市場全体としても、トランプ大統領による輸入自動車への25%関税(4月3日発動予定)を受け、警戒感が強まっている。
この関税により、米国内の製造業者および消費者にとって価格上昇圧力がかかると見られている。2025年2月の米消費者物価指数(CPI)は、前月比で0.2%の上昇となっている。
セントルイス連邦準備銀行のアルベルト・ムサレム総裁は、この関税がインフレ率に約1.2ポイントの上昇圧力を加えると試算。その内訳は、直接的な影響が0.5ポイント、間接的な影響が0.7ポイントとされる。
CMEのFedWatchツールによれば、6月に政策金利が400~425ベーシスポイントに引き下げられる確率は、3月28日時点で55.7%まで低下している。これは1週間前の67.3%、前日の58.4%からの減少だ。
6月のFRB会合における目標金利の確率. Source: CME
利下げが後ろ倒しになることで、投機的な市場への資金流入が鈍化し、低金利・リスクオン環境を前提としたXRPや他のデジタル資産の勢いにブレーキがかかる可能性がある。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。