ステーブルコインの急速な成長が続く中で、スイスで新たな組織が立ち上がった。

「世界ステーブルコイン協会(WSA)」と命名された団体は23日、コインテレグラフに概要を明らかにした。WSAはスイスのジュネーブに本部を置き、ステーブルコイン特化の仮想通貨(暗号資産)取引所のヴィルゴX(VirgoX)とブロックチェーン資本市場会社のグローバル・デジタル・アセッツが立ち上げを発表した。

年内にUSDTやUSDCを追加

ヴィルゴXのアダム・サイCEOは設立の目標について、すべての主要なステーブルコインプロジェクトで構成される偏りのないグローバルな組織を構築することであると明かした。

サイ氏によると、WSAはすでにテザー(USDT)やUSDコイン(USDC)、ダイ(DAI)、HUSDといった主要ステーブルコインのプロバイダーと協議を進めているという。これら通貨の企業は2020年末までにWSAに加入する予定としている。さらに新たなステーブルコインプロジェクトについても計画中だとしている。

サイ氏はステーブルコインの現在の課題について、新興のステーブルコインの採用が進んでいないことを挙げ、今後ユースケースを強調していく必要性を強調している。

「取引ペアだけでなく、グローバルな決済やクロスボーダー送金などにも対応すべきだ。また、価値の保存手段としてのステーブルコインの保有をユーザーに促すためには、ステーキングといったの有利子商品など、価値を生み出すための様々なアプリケーションを模索するプロジェクトも必要だ」

その他の設立企業

WSA設立時にはヴィルゴXとグローバル・デジタル・アセッツの他に、ブロックチェーン企業のブロックギークス(BlockGeeks)が参加。発表文の中ではBRZ、CBRL、Peg Network、QCAD、QC、Ren、Stably、USDK、XDBなどの主要なステーブルコインプロジェクト、アルファ・シグマキャピタルやコンセンシス・ラボ、ノバクラブなどの企業で構成されているとしている。

ステーブルコインの成長

新型コロナウイルスのパンデミック後からステーブルコインの成長が著しい中、筆頭のテザーとUSDコインは最近、時価総額で大きな節目を迎えた。

テザーは過去最高の時価総額を更新し、すでに100億ドルを突破。既報の通り、テザーの発行額は2020年3月から5ヶ月で50億ドルから倍増するなど、大きな発展を見せている。

また7月始めにはステーブルコインで時価総額2位のUSDコインも好調だ。7月3日には10億ドルを突破した。

こうしたステーブルコインの伸長についてヴィルゴXのサイ氏は期待を示している。

「このNPOは、世界中のユーザーのニーズに応えるために、一丸となって推進していく。私たちは近い将来、ステーブルコインの時価総額が爆発的に増加すると信じている。つい最近までステーブルコインが100億を超えていました。過去2年間の成長率はかなりのものです。この傾向は確実に続くだろう」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン