仮想通貨マーケットメーカーのウィンターミュートは、プロジェクト史上最大のソラナ(SOL)トークンアンロックを控え、過去24時間で4000万ドル近くのSOLをバイナンスから引き出した。
アーカム・インテリジェンスのデータ によると、ウィンターミュートは2月24日午前9時2分(UTC)までの24時間で、バイナンスから3820万ドル相当のSOLを引き出した。
Wintermute transfers from Binance hot wallet. Source: Arkham Intelligence
この資金移動は、3月1日に予定されている20億ドル規模のソラナのトークンアンロックを前に行われた。このイベントでは、1120万SOL以上が市場に供給される予定となっている。
仮想通貨市場の関係者の間では、このトークンアンロックによってソラナに大きな売り圧力がかかる可能性が懸念されている。その理由として、ロックされていたSOLの多くがFTXのオークションで現在の市場価格よりも大幅に割安な価格で購入されていたことが挙げられている。
VCによる大量売却のリスク
ソラナの今回のトークンアンロックは、ベンチャーキャピタル(VC)などの大口投資家による売り圧力 を生む可能性が高いと指摘されている。
仮想通貨アナリストのArtchick.eth氏は、「今後3か月で1500万SOL(約25億ドル相当)が市場に流入する」とし、多くのトークンがFTXのオークションで1SOLあたり64ドルで購入されていたことを指摘した。
「このSOLの大部分はFTXのオークションでギャラクシー・デジタルにより64ドルで購入された。依然として非常に健全な利益水準だ。[…] アンロックされるころには、さらに約10億ドル相当のSOLがインフレによって生み出され、売却される可能性が高い」と述べた。
同様に、仮想通貨トレーダーのRunnerXBT氏も、「現在のソラナ市場は非常に危険な時期」と警鐘を鳴らした。同氏によると、ギャラクシー・デジタルは30億ドル、パンテラ・キャピタルは10億ドル、フィギュアは1億5000万ドルの未実現利益を抱えており、SOLがアンロックされればこれらの企業が売却に動く可能性が高いという。
市場センチメント悪化とLIBRAスキャンダル
市場関係者の間では、今回のSOLアンロックによる売却圧力がLIBRAスキャンダルによる市場センチメントの悪化と相まって、さらなる下落を引き起こす可能性が指摘されている。
アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が支持したとされるミームコインLIBRAでは、価格が数時間で94%暴落。その結果、投資家の資産40億ドルが消失 する事態となった。一方でプロジェクトに関与した関係者は取引で利益をえたと非難されている。