米国の著名起業家ウィンクルボス兄弟が率いるジェミニが新たな仮想通貨カストディ(資産管理)サービス「ジェミニ・カストディ」を立ち上げた。コールドストレージ(オフラインの保管庫)から瞬時にトレードできる機能を持っているという。コインテレグラフに共有されたプレスリリースの中で明らかになった。

ジェミニカストディは、ビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)ライトコイン(LTC)、オーガー(REP)、メーカー(MKR)やオミセゴー(OMG)など18種の仮想通貨をサポートする。

ジェミニのタイラー・ウィンクルボス氏は、改めて業界におけるカストディの重要性を強調した。

「最初からジェミニは、安全で規制順守していて世界中の個人と機関投資家にとって使いやすいワールドクラスのカストディが必要だと気づいていた。」

米国でカストディ分野での競争は激化している。

米国最大の仮想通貨取引所コインベースは、先月、ザポ(Xapo)の法人向け仮想通貨カストディ事業を買収。「世界最大の仮想通貨カストディアン(保管業者)になった」と宣言した

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また、米金融大手のフィデリティがニューヨークで仮想通貨カストディサービスを開始するために当局に申請を出している

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カストディとは、投資家のために証券を保護するほか、元利金・配当金の代理受領、運用資産の受渡し決済、運用成績の管理などを提供するサービス。

コールドストレージから瞬時に取引

ザ・ブロックによると、ジェミニの担当者はコールドストレージでのトレードで他者との差別化を図る狙いだ。

「利用者は、コールドストレージに保管している特定の資産の残高を使って取引所でトレードができる。出金の過程で、どんなセキュリティも犠牲にはしない。これは、オフラインで保管されている仮想通貨を瞬時に換金できる機能であり、リアルタイムでトレードをしたい顧客はマーケットでの好機を逃すことがなくなる。つまり、マーケットで価格に乖離が見られた時、あなたは仮想通貨が実際に取引所の口座に物理的に移動するのを数時間以上待たなくて良いのだ」

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版