菅義偉官房長官は17日午後の記者会見で、仮想通貨の暗号資産への呼称変更いついて「研究会の議論を踏まえ、金融庁が適切に対応する」と発言した。「『通貨』という呼び方が誤解を生みやすいとの指摘もある」ともコメント。先週末の金融庁の研究会での議論をもとに、暗号資産への呼称変更が進むことになるかもしれない。

ニコニコニュースの質問に応える中で、次のように菅氏は呼称変更の件に言及している。

G20をはじめ、国際社会の中で『暗号資産』という表現が使われ始めております。また『通貨』という呼び方が法定通貨との間で誤解を生みやすいと、そうした指摘もあります。そういったことを踏まえて、金融庁の研究会において法令上の呼び方について『暗号資産』に変更するという方向性が示されている。そういう報告は受けています。いずれにしても、研究会の議論を踏まえ、金融庁が適切に対応すると思います」

金融庁の仮想通貨交換業等に関する研究会の議論では、暗号資産に呼称を変更するよう求める声が多く出ていた。「国際的な動向を踏まえれば、日本だけが『仮想通貨』を使い続けることは具合が悪い」といった指摘がメンバーから出た。また菅氏が言及していたように、「通貨」という表現が誤解を生むのではないかという懸念も研究会では指摘されている。

その一方で今年の流行語大賞の候補に「仮想通貨」が入るなど、「仮想通貨」という表現が日本では広く普及している状況でもある。過去の研究会では「新しい名称ができることで、新しい良いものができたと世間に誤解を与える可能性がある」といった危惧する声も出ていた。自主規制団体も「日本仮想通貨交換業協会」となったが、名称を変えることになるのだろうか。

いずれにしても来年の通常国会に資金決済法や金融商品取引法の改正案を提出するとの報道もあり、来年以降、ICO規制やレバレッジ規制などと合わせ、仮想通貨の呼称問題が改めてクローズアップされることになるだろう。

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