ビットコイン(BTC)は木曜日に6万3000ドルを下回り、2024年11月以来の安値を付けた。1月28日に9万500ドルの突破に失敗して以降の下落率は30%に達し、足元では短期的な強気回復への期待は大きく後退している。現在の弱気心理は、米国の雇用指標の悪化や、人工知能(AI)分野における巨額の設備投資への懸念によって強まっている。
ビットコイン急落の要因がマクロ経済の変化かどうかにかかわらず、オプション市場では3月までにBTCが9万ドルを回復する確率はわずか6%程度と見積もっている。

デリビットでは、3月27日に行使できる9万ドルのビットコインのコールオプションが木曜日に522ドルで取引された。この価格は、大幅な上昇が起きる可能性を市場がほとんど見込んでいないことを示す。ブラック・ショールズ・モデルによれば、これらのオプションは3月下旬までにBTCが9万ドルに達する確率が6%未満であることを反映している。一方、同日付で5万ドルで売る権利(プットオプション)は1380ドルで取引され、より深い下落が起きる確率を20%程度と見ていることが示唆された。
量子コンピューターリスクと強制清算懸念が売りを加速
市場参加者は、量子コンピューターの進展リスクや、負債や株式発行を通じてビットコインを積み上げた企業が強制的に清算を迫られるのではないかとの懸念から、仮想通貨へのエクスポージャーを縮小している。1月中旬には、ジェフリーズの株式戦略グローバル責任者であるクリストファー・ウッド氏が、量子コンピューターによる秘密鍵解読リスクを理由に、モデルポートフォリオからビットコインの10%配分を外した。

最大のビットコイン保有企業であるストラテジー(MSTR US)は、企業価値が533億ドルまで低下した一方、取得原価は542億ドルにとどまっている。日本のメタプラネット(MPJPY US)も同様に、評価額29億5000万ドルに対し取得コストは37億8000万ドルと乖離が生じている。投資家は、弱気相場が長期化すれば、これらの企業が債務返済のために保有BTCを売却せざるを得なくなる可能性を懸念している。
リスク回避姿勢の強まりには外部要因も影響しているとみられ、時価総額で2番目に大きい取引資産である銀も、1月29日に史上最高値121.70ドルを付けた後、週次で36%下落した。

ビットコインの週次下落率27%は、トムソン・ロイター(TRI)、ペイパル(PYPL)、ロビンフッド(HOOD)、アップラビン(APP)といった時価総額数十億ドル規模の上場企業の下落率とも近い。
チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、1月の米国企業の人員削減発表数は10万8435人に達し、2025年同月比で118%増加した。これは、80年ぶりの深刻な景気後退が終盤に差し掛かっていた2009年以来、最も多い1月の削減数となった。
市場心理はすでに弱まっていたが、水曜日にグーグル(GOOG US)が2026年の設備投資額が2025年の915億ドルから1800億ドルへ増加する見通しを示したことで、さらに悪化した。半導体大手クアルコム(QCOM US)の株価も、サプライヤーの生産能力がデータセンター向け高帯域幅メモリーに振り向けられているとして成長見通しを引き下げたことを受け、8%下落した。
トレーダーは、競争激化やエネルギー制約、メモリーチップ不足といった生産ボトルネックにより、AI投資の回収には時間がかかるとみている。
木曜日に6万2300ドルまで下落したビットコインの動きは、経済成長や米国雇用を巡る不透明感を映しており、短期的に9万ドルへ反発する可能性は一段と低下している。
bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】
本記事は、投資助言または投資に関する推奨を含むものではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴うため、読者は意思決定を行う際にご自身で調査を行う必要があります。正確かつ迅速な情報提供に努めていますが、Cointelegraphは本記事に含まれる情報の正確性、完全性、または信頼性を保証するものではありません。本記事には、リスクや不確実性を伴う将来予想に関する記述が含まれる場合があります。これらの情報に依拠したことにより生じた損失または損害について、Cointelegraphは一切の責任を負いません。

