15日未明から始まった仮想通貨相場全面安の要因について、仮想通貨メディアやアナリストは様々な予測をしている。
(引用元:TradingView「ビットコイン(BTC)/米ドル(5日間)」)
ビットコインキャッシュのハードフォーク
15日のビットコインキャッシュのハードフォーク(分岐)に対する不透明感に嫌気して相場全体が崩れたとみているのは、仮想通貨投資会社BKCMのブライアン・ケリーCEOだ。主要10種の中で下げ幅が大きかったのはビットコインキャッシュ(BCH)。執筆までの24時間で14.27%下落している(引用元:CoinMarketCap)。既報の通り、ビットコインキャッシュの不透明感をめぐる下落要因は3つ挙げられる。
米国最大の仮想通貨取引所コインベースが、日本時間16日午前1時にすべてのビットコインキャッシュの取引を停止すると発表したことも重しになったとみられている。
また、ブルームバーグによると、ビットコインキャッシュが分裂することを予想して、ビットコインの売りが出たという予測もある。ビットコインキャッシュ分裂後、2つのコインの価格が上昇するという期待から、ビットコインを売却して買いに備えているという。
アップル株をはじめとした米株急落
14日の米株式市場ではダウ平均株価が4日続落した。iPhone販売の減速を懸念してアップルが急落しているほか、金融規制の緩和に否定的な発言が議会下院の民主党議員から出たことなどから、金融株が下落した。
CNBCによると、仮想通貨に詳しいeToroのマティ・グリーンスパン氏は、「ハイテク株の売りが、仮想通貨市場に波及したかもしれない」と分析している。米株式市場と仮想通貨市場の関係については、6日の中間選挙で民主党が下院を奪還したら転機を迎えるだろうという見方も出ていた。
テクニカル要因
先述のグリーンスパン氏は、ビットコインが6000ドルを割ったため複数のストップロスが自動的に作動したのではないかとみている。またFXStreetの仮想通貨アナリストであるトーマス・セレス氏は、4500ドルまで下落する可能性を指摘した。
「5770ドルがビットコインにとって、超えてはならないラインだった。2018年の最安値ポイントだ。この水準を下回ったことから、1年前につけた4500ドルまで下がる可能性が出てきた」
IMFのラガルド発言?
IMF(国際通貨基金)のラガルド専務理事が「中央銀行発行デジタル通貨の可能性を検討するべきだ」と発言したことが、相場への重しになっているという見方も出ている。中央銀行による仮想通貨が分散型の仮想通貨にとって脅威になる可能性があるからだ。また中央銀行が絡むことで、業界に対する規制が強化され、取引スピードが遅くなり、コストが高くなるという懸念も出ているという。
テザー(USDT)
米ドルと1:1の準備金に担保され、価格変動があまり無いはずの「ステーブルコイン」であるテザーの価格が再び急落している。執筆時点で約0.97ドル(引用元:CoinMarketCap)と、1ドルを割った。テザーに対しては本当に十分なドルの準備金を持っているのか、疑問視する声が出ている。テザーが詐欺コインという認識が市場で広まったら、パニック売りになるという見方が出ている。
【追記】VIX指数との逆相関
マネックス仮想通貨研究所の所長である大槻奈那(おおつきなな)氏は、レポートの中で株式市場のVIX指数と仮想通貨の逆相関関係に注目。VIX指数は、別名「恐怖指数」とも呼ばれ、投資家の不安心理を表す指標として用いられる。下記のグラフのように、VIX指数が上(下)がればビットコインが下(上)がるという逆相関関係が見られる。
(引用元:マネックス仮想通貨研究所)
14日ダウ平均株価がアップル株や金融株の下げなど4日続落する中、VIX指数は上昇。大槻氏は「ボラティリティを求める投資家がこれを機会に株式に移っている可能性がある」と指摘した。
一方、大槻氏は、短期的にはステーブルコインが受け皿になるかもしれないと予想した。
(引用元:TraidingView「トゥルーUSD/米ドル(5日間)」 )
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