仮想通貨と株価の関係に転機、11月の中間選挙が注目な訳とは?

仮想通貨市場は株式市場と連動して上下するのか?安全資産のデジタルゴールドだから逆相関なのか?両者の関係性をめぐって議論が続いているが、11月6日以降の米中間選挙以降、転機が訪れるかもしれない。

これまでの相関関係

今月11日にビットコイン(BTC)が急落した際、世界的なリスクオフを指摘する声が出た。リスクオフとは見通しの不透明さなどを投資家が嫌い、より安定性の高い資産へ避難する状況。金利上昇の観測とともにリスク資産とみなされる株や仮想通貨が売られたというわけだ。このため「ビットコインは安全資産としての役割を果たしていないではないか」という声が出た。では、実際の両者の相関関係はどうなるのだろうか?下記の表の通り、これまでは極めて低い状況が続いている。

S&P500とビットコインの相関関係表

(引用元:Blockforce Capital Research & Bloomberg via Forbes 「S&P500とビットコインの相関関係」

0が相関関係なし。1に近いほど正の相関関係が強く-1に近いほど負の相関関係が強くなる。仮想通貨に詳しいeToroのマティ・グリーンスパン氏によると、0.6を超えなければ相関関係が強いとみなされないが、現状のS&P500とビットコイン価格の相関係数は0.6からはほと遠い。

これからの相関関係

11月の米中間選挙以降、株と仮想通貨の薄い関係に転機が訪れるかもしれない。というのも、米中間選挙でトランプ大統領の共和党が下院で過半数を取れなければ、米株式市場の強気相場が「初めて」終わるかもしれないからだ。グリーンスパン氏は、「ビットコインが一般投資家にトレードされ始めたのは過去5年程度で、この間、米株は最高値を更新し続ける強気相場だった」と指摘。株が弱気相場の時の仮想通貨の動きを示したサンプルは存在しないのだ。

ちなみにビットコイン強気派で元ゴールドマンサックスのマイク・ノボグラッツ氏は、「トランプラリー」の終焉を予想。トランプ大統領は、減税や規制緩和など株式市場から歓迎される政策スタンスを取ってきたが、下院で共和党が過半数を取れなければ、トランプ大統領主導の法案が通らなくなる。ノボグラッツ氏は、原油高や金利の上昇に加えて、中間選挙敗北がマーケットにとって重しになるとみている。

デジタルゴールド?

仮に年末年始に株式市場が弱気トレンドに転換するという予想が当たった時、ビットコインの価格はどうなるのだろうか?もし安全資産デジタルゴールドとして機能するなら、ビットコインは上昇することになるだろう。モルガン・ストリート・キャピタルのマーク・ユスコ氏はその可能性を信じる一人だ。11日に株価と連動してビットコインが下落したかのように見えた理由について、次のように解説した

「流動性パニックによって人々が混乱しているのだろう。現在のビットコイン保有者を見てみると、去年12月という間違った時期に買った人々だ。そうした弱い買い手がどんどん手放している

つまり11日にビットコインを手放したのは、投資初心者という主張だ。一方、既報の通り、仮想通貨相場の低迷が続く中、ウォール街の投資会社フィデリティやニューヨーク証券取引所の親会社インターコンチネンタル取引所(ICE)などをはじめ、投資のプロたちは仮想通貨業界へと着実に進出している

つまり、問われているのは次の疑問だろう。「トランプラリー終えん後、投資初心者と機関投資家の入れ替えが進む仮想通貨市場は、ビットコイン(BTC)をデジタルゴールドと見るのだろうか?」

先述のノボグラッツ氏は、来年の第1四半期と第2四半期の間に機関投資家にとっての投資環境が整うことを理由に、ビットコイン(BTC)が最高値を更新すると見ている。また、先日フィデリティがヘッジファンド向けにカストディ(資産管理)サービスを始めるというニュースに相場は無反応だったが、アナリストの間では長期的な材料という見方が相次いでいる。

中間選挙まで約半月。まずはトランプラリーが続くのかを見極める必要がある。