「ハイテク株の女王」として知られる米著名投資家キャシー・ウッド氏が仮想通貨取引所コインベース株を買い増している理由や、ビットコイン価格の展望について米メディア・ブルームバーグに語った。
ウッド氏が率いる米アーク・インベストメント・マネジメントは2023年6月6日に約1700万ドル相当のコインベース株を買い増し。約17億ドル相当のコインベース株を保有していることになる。
ウッド氏はコインベース(COIN)株を買い増している理由について、コインベースが米証券取引委員会による規制強化の嵐を乗り切り、最大の競合相手であるバイナンスが姿を消す中で勝利を収めるとの持論を展開。コインベースが米国内の仮想通貨取引所としては唯一の選択肢となると考えているようだ。
ウッド氏の相場観が十分に正当化されているかどうかは難しい問題だ。アナリストコンセンサスは様子見評価であり、平均目標価格は58.49ドルで、現在の水準から約12%上昇する見通しに過ぎない。
コインベースもまた未登録証券取引やステーキングに関してSECから訴訟を起こされていることも忘れてはいけないだろう。最終的に同取引所が違法行為に加担していたとみなされる可能性はある。

だがより懸念されるのは、コインベース上場を控える仮想通貨プロジェクトに、コインベースが投資していた可能性があるという指摘だ。同社CEOであるブライアン・アームストロング氏が6月10日に米ウォールストリートジャーナル誌と話した後、そのような噂が広まり始めた。インタビューでアームストロング氏は、取引所に上場されているトークンにコインベースが投資しているかどうかに関する質問に明確に答えなかったのだ。
コインベースに新しいトークンが上場されるたびにその価格が急落するのは周知の事実だ。これが組織的なスキームによるものであった場合、金融犯罪とみなされる可能性がある。
問題はこのような深刻な告発に対する証拠が存在するかどうかだ。コインベースベンチャーズのポートフォリオを見ると、同社の投資ポートフォリオに登場した30のプロジェクトのうち、多くが取引所に上場されていることがわかる。ただし、コインベースベンチャーズは、「上場チームと連携していない」と主張しており「本業とは別の運営スタッフが配置されている」としている。
ビットコイン価格は100万ドルへ?
ウッド氏はまた「ビットコインはインフレに対するヘッジ」との見解を再度表明した。彼女はビットコイン価格に強気であり100万ドルの目標価格を堅持している。
ウッド氏によれば、ビットコインは「伝統的な金融システムにおけるカウンターパーティーリスクに対する解毒剤」。過去3か月間に米史上最大規模の銀行破綻が3件発生していることを考えると、彼女の言うことに一理あるかもしれない。
次のビットコイン半減期は1年未満に迫っている。チャート的には現在、ビットコインは上昇周期の「蓄積」フェーズにある。下のグラフがそれを示している。

次のサイクルのピークで、ウッド氏の100万ドルの価格予測が実現するだろうか。
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