仮想通貨コミュニティが新たな非営利団体「セキュリティアライアンス」の設立を歓迎している。この団体は米国で登録され、「ホワイトハット」ハッカーへの支援を提供することを目的としている。
この取り組みは、仮想通貨ベンチャーキャピタル会社パラダイムのセキュリティ責任者であるsamczsun氏が率いるブロックチェーンセキュリティ専門家チームを結集している。この新組織は2月14日に公表された。
セキュリティアライアンスのウェブサイトによると、現在3つのプロジェクトが進行中である。セキュリティ対応のためのホットラインや、開発者がセキュリティリスクに備えるためのウォーゲームコンポーネントなどがある。「セキュリティアライアンス(SEAL)との取り組みを誇りに思う。ホワイトハットハッカーが仮想通貨を安全に保つための力になる」とユニスワップラボはツイートした。
SEALing the deal with @samczsun
— Uniswap Labs (@Uniswap) February 14, 2024
Uniswap Labs is proud to support the Security Alliance (SEAL), empowering white hat hackers to keep crypto safe and secure pic.twitter.com/NHgmclIdcG
グループが提供する最大のイノベーションは、ホワイトハット・セーフハーバー協定である。これは不正な攻撃者から資金を取り戻そうとするホワイトハットに対して法的保護とインセンティブを提供するものだ。事前に締結された協定の一部では「合法的、有能かつ善意で行動する限り、プロトコルとそのメンバーはあなたに対する法的請求権を放棄する」と書かれている。
セキュリティアライアンスは、2022年8月のノマドハッキングから着想を得た。多くのホワイトハットハッカーがノマドの資金回収に参加したが、「セキュリティコミュニティのメンバーは、行動によって善意を具体化できる法的枠組みがあれば、より多くの人が助けられたかもしれないと嘆いた。だから、私たちはその枠組みを作ることにした」という。
ウェブサイトで言及されているセキュリティアライアンスの個々の参加者はsamczsun氏のみであるが、報復を避けるために本当の身元を隠すという一般的なセキュリティ慣行に従っている。
グループは50人以上の寄付者とパートナーがいるという。その中にはイーサリアム財団、ヴィタリック・ブテリン氏、a16zcrypto、パラダイム、エレクトリックキャピタル、コインベースが含まれている。ブルームバーグの報道によると、グループは100万ドル以上を調達し、ブテリン氏だけで50万ドルを寄付したという。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン