ここに表示された見解および意見は、著者のものであり、必ずしもコインテレグラフの見解を反映するものではありません。すべての投資とトレーディングにはリスクが伴うため、意思決定の際に独自の調査を実施する必要があります

ビットコインは大陽線で強く上昇しているだけあり、前回記載した最も浅いサポートである$6951~7080でダブルボトムを形成して続伸する格好となっている。

バブル的な上昇はどこが着地点になるかを読み解くのは難しいが、過去の事例を参考に仮説を立てると次なるターゲットをある程度読み解くことができる。

今回の強い上昇の要因の一つになったのは5月6日頃に米フィデリティが数週間以内に機関投資家向けのビットコイン取引を開始することが明らかになったためである。

また、その後にNYSE(米NY証券取引所)の親会社であるICE(インターコンチネンタル取引所)が設立した仮想通貨取引所「Bakkt」が7月から「BTC先物取引」のユーザー受け入れを開始するニュースも発表され、これも上昇を後押しする材料となっている。

このように大手機関がビットコインの取引を開始するニュースが後押しして、強く上昇したケースは2017年にも見られた。

2017年11月29日には米ナスダックが2018年前半にビットコイン先物上場予定を発表。

12月1日にはCBOEがビットコイン先物取引を近日中に開始すると発表。

さらに同日にCMEも12月18に先物取引を開始すると発表した。

これらのニュースを受けて高値圏で横ばいの動きをしていたビットコインはさらに上昇し、CME先物取引がきっかけで下落に転換する形となった。(図1参照)

ビットコイン/米ドルの2017年末のチャート推移

(図1 2017年年末に大手機関でビットコイン取引開始が発表された時の動き)

今回は仮に米フィデリティが数週間以内に機関投資家向けのビットコイン取引を開始すると報じられた5月6日と日本にそのニュースが広まった7日の高値からの動きが2017年11月29日〜12月1日(今回は11月29日の高値を採用)の高値からの動きと似たような動きをした場合、次に意識されるレジスタンスゾーンがどこになってくるのかを特定してみることによう。

2017年12月1の高値は約$11432。その後に上値を意識されたポイントは12月1日の高値である$11432から約50%~53%上昇した地点。

その後に一旦調整をつけるものの最終的には約74%上昇して、下落へ転換する格好となった。

ビットコイン/アメリカドルのチャート分析

(図2 2017年年末に大手機関でビットコイン取引開始が発表後の動き)

米フィデリティのニュースが出た5月6日とこのニュースが日本に広まった7日の高値から仮に同じようなことが起こるとするのであれば、5月6日の高値である約$6120と7日の高値である約$6328から約50%~53%上昇した地点が次に意識されるポイントとなってきそうだ。

これを単純に当てはめてみると、このまま上昇していけば次のターゲットとしては約$9233~9699が意識されそうだ。

さらに、続伸していくのであれば次に意識されそうなポイントは5月6日の高値である約6120と7日の高値である約$6328から約74%上昇した地点である約$10667~11045。

これはあくまで過去と似たような事例が起こると仮定した場合の予測なために信憑性は定かではないが、それでも相場は過去と似たような動きを繰り返す修正があるために取引をする上で今後、意識すべきポイントの一つとして念頭に入れておいても損はないだろう。

ビットコイン/米ドルのチャート分析-大手が取り扱いを開始

(図3 2017年年末に大手機関によるビットコイン取引開始の発表後の動きを当てはめた次のターゲット予測)

このまま上昇していけば前述したポイントが次なるターゲットゾーンにはなってきそうだが、前回の記事にも記載した通り、続伸したことで現在は複数の移動平均線乖離率が2017年のバブル時を除けば過去最高レベルに上方乖離しすぎの水準に達しているためにしっかり調整を待って下値の堅さを確認しながら押し目買いを拾っていく必要がある。

(図4 移動平均線乖離率1)

(図5 移動平均線乖離率2)

サポートとして意識されやすいポイントは以下の通り。

$7766~7895
$7508~7667
$7196~7382

押し目買いを検討するのであればできるだけ$7508~7667、$7196~7382に引き付けた方が良さそうだが、各レジスタンスゾーンで下値の堅さを確認して買いを検討すべきだろう。

(図6 今後意識されそうなサポートとレジスタンスゾーン)

現在の状況を見るとビットコインはしばらく高値圏で推移し、アルトのターンになりそうだ。
 

著者 トシムリン
学習プログラム「トレード帝王学」(仮想通貨を含むトレード学習に適する)で講師を務める。ヘッジファンドトレーダーなどの一部のプロしか辿り着けないトレードの真髄を人数限定で伝授!初心者も安心して学べて、大衆に惑わされず安定的に稼げる本質的トレーダー育成にフォーカスした日本トップレベルのトレード学習コンテンツを目指している。

トレード歴14年の現役為替トレーダー。20歳の頃から一度も就職することなく専業トレーダーとなる。6年間はトレードが上手くいかず一時借金を背負ったが、研究と分析を積み重ねて独自手法を編み出し、7年目からプラス収益となり、そこからは安定的に利益を出し続けている。 元ヘッジファンドトレーダーからトレードを学んでいた経験があり一般投資家が持ちえないマーケットの内部構造を多角的に分析して市場を予測していくことが得意分野。 分析能力と育成能力に定評があり、トレード教育によって多くの常勝トレーダーを輩出している。プロップファームのトレーナーも務めている。 「人生を通してこれからの激動な時代に向けて自分自身で稼げる本質系投資家を多く育成し、日本の投資教育のレベルを底上げすること」をミッションに掲げる。座右の銘は、「習慣は才能を超える」。