イーサリアム先物登場で何が起きるのか?:CBOEが今年末に開始計画、他の仮想通貨への影響は?

初のビットコイン先物契約が開始されてから1年も経たないうちに、イーサリアムが、規制された先物取引所で取引される2番目の仮想通貨になる可能性が浮上している。

17年12月にビットコイン先物を開始したプラットフォーム、シカゴ・オプション取引所(CBOE)は、18年末までにイーサリアムオプションを開始する許可が米商品先物取引委員会(CFTC)から下りるのを待っているとされる

CBOEのイーサリアム契約は仮想通貨取引市場のジェミニを通じて開始する予定だという。これはビットコイン先物で既に利用している方法だ。

米証券取引委員会(SEC)の幹部は6月にイーサリアムが証券に分類されないとコメントしたことを受け、イーサリアム先物の開始への地ならしは済んだかのように思われていた。

当時、CBOEのクリス・コンキャノン社長はSECの決定を歓迎し、イーサリアム契約が17年後半以来のテーマになると発言していた

「現在のイーサの取引に関してSECが明確な姿勢を示してくれたことを喜ばしく思う。今回の発表により、CBOEが17年12月に初めてビットコイン先物を開始して以来、頭を悩ませてきたイーサリアム先物にとっての重要な問題点が解消される

それからわずか3か月後の今、17年にビットコイン先物がついに開始された時と同じ様に、イーサリアム先物実現の足音が聞こえ始めている。

CBOEはコインテレグラフに対し、6月に行われたコンキャノン氏のQuartsでのインタビューを示し、イーサリアム先物を検討を実際に行っていると認めている。インタビューの中でコンキャノン氏は対談の中で、仮想通貨と先物契約の可能性についての会社の考えを表明している。

イーサリアムは特に流動性の高い仮想通貨だ。ビットコインと並び、イーサリアムの需要は市場の他の仮想通貨より遥かに高い。近々先物取引を提供する検討を行なうが、その発表を行なう以前の段階で実行しなければならないプロセスがある。そのプロセスについてはCFTCに対して詳細を伝えているので、当然それに沿った措置を講じて、当社が次に発表する商品により、誰もが確実に満足して頂けるようにしたいと考えている」

コンキャノン氏によると、イーサリアム先物への需要と渇望は非常に大きい。ビットコイン先物の投入を成功させたCBOEは、同じ商品設計と構造を利用して、将来検討される全ての仮想通貨先物に応用したいと考えている

CBOEは現時点でこれ以上のいかなる詳細も明らかにしておらず、関連情報はいずれ発表されるとしている。

ETH先物登場で何が起こるのか

このイーサリアム先物の予想開始時期の詳細はまだ発表されていない。新しい先物商品の登場の可能性が、ほかの仮想通貨に与えた影響は中立的なものだった。

8月31日、イーサリアムの価格は先物の初期報道を受けてわずかな落ち込みから回復を見せた。同日に急上昇したビットコインの価格も、同様の値動きを見せていた。

Crypto market 31.08.–01.09.2018. Source: coin360.io

CBOEのイーサリアム先物の報道を受け、ファンドストラットの共同創立者トム・リー氏は米ビジネスインサイダーに対し、初期においてはイーサリアム先物はイーサリアムの価格に否定的な影響を及ぼすと語っている。

「昨年12月以来、仮想通貨に関して弱気でありながら、その原資産を保有したくない場合、BTCを空売りすることができるようになった。これからはイーサリアムを空売りできるようになり、BTC先物の売り越しは下落するだろう」

期待と懸念:専門家でも意見分裂

市場の動きを予想するのは難しいものだが、仮想通貨の場合は特にそうだ。しかし、主流の金融機関によるこのような大きな動きは仮想通貨の価格に影響を与えるように思える。

コインテレグラフはeToroでシニアマーケットアナリストを務めるグリーンスパン氏に取材を行い、イーサリアム先物の開始による仮想通貨価格への潜在的な影響についての意見を聞いた。

グリーンスパン氏はウォールストリートが仮想通貨市場の活用へ向けた準備を熱心に進めていると指摘。イーサリアム先物の開始が次の重要なステップになると、先物の可能性について前向きな見方を示した。

ソーシャルメディアでは激しい空売りがイーサリアムの価格に悪影響を及ぼすと懸念する声もあるが、グリーンスパン氏はそれに対して反論を行っている。

「空売りができることは、価格発見に欠かせない要素だ。従って、これは市場にとって健全な流れとなるだろう」

さらに、グリーンスパン氏はイーサリアム先物によりイーサリアムが脚光を浴び、資金の潤沢な投資家を新たに呼び込むきっかけになると考えている。また他の仮想通貨にも波及効果を及ぼす可能性があると見ている。

「仮想通貨の価格は互いに強い相関関係を持っている。なので、イーサリアムにとっての利益は、ビットコインにとっても利益となり、その逆もまた然りだ。これまでのところビットコインの先物出来高は比較的低く、市場全体から見ると取るに足らないものだった。しかし、機関投資家の興味が変化すれば、出来高が上昇し、新しい取引手段が利用できるようになるはずだ」

グリーンスパン氏は今後の見通しについて非常に楽観的な見方をしているが、一方でイーサリアム先物の開始についてより慎重な見方をする者もいる。

ウェルス・チェーン・キャピタルのフィリップ・ナンCEOはコインテレグラフに対し、特定の投資家がイーサリアムを空売りする可能性があり、そうなればイーサリアムブロックチェーン上でICOを行った企業に重大な結果をもたらすだろうと語っている。

ナン氏はBTC先物の開始を、約30年前に先物市場の大きな影響下にあったFX市場にたとえる。

「18年に入り、主にビットコイン先物の登場により仮想通貨のあり方に大規模な変化が見られている。チャートが様変わりして明らかな市場操作が行われ、価格の釣り上げ・釣り下げを行なう『クジラ』による市場の支配が行われている。誰かが莫大な利益を得ているのだ。売りと買いにより容易に市場に影響を与えることができた80~90年代のFX市場に似た様相を呈している」

さらに、ナン氏はERC20トークンで資金調達を行った企業に対して先物が与えるリスクについて触れている。

「イーサリアムの複数の側面について懸念を持っている。まず時価総額がビットコインよりずっと低く、イーサリアム先物の価格は150ドルか、もしかすると100ドル以下まで下落するのではないかと考えている。それに加えて、95%のICOではイーサリアムのERC20トークンによる資金調達が行われているが、例えば、もしあるICOで200万ドルの調達と保有がイーサリアムで行われた場合、その価値は半分にまで急落し、調達を行った企業がBTCか法定通貨に交換して利益を保護するために、イーサリアムを売却し始めるのではないかと考えている

BTC先物とは異なる結果になるか?

仮想通貨先物の先陣を切ったビットコインだが、17年12月に開始したばかりのBTC先物について結論を導くのが難しいのは当然だ。

CBOEとシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が先物取引を開始した直後、ビットコイン価格は2万ドルを僅かに超え、史上最高値を更新した。その後、マーケットの調整により、数か月間にもわたり市場は不安定な状態が続いた。

仮想通貨市場が大きく後退する中で様々な要素が働いたが、BTC先物がどのようにして市場と価格に影響を与えたかを判断するのは難しい。

CMEは7月にBTC以外の先物取引を開始する予定は無いと表明しているが、BTCの1日平均出来高が18年第1四半期に93%増加したというデータを発表している

18年のこれまでのBTC先物契約件数の伸びを考慮すると、仮想通貨スペースにおけるこの種の金融取引に対する需要は高まっているとみなすのが妥当だろう。

とは言っても、イーサリアム先物が開始された場合、先物市場全体の動向が数か月にわたり厳しくチェックされることになるだろう。

ナン氏がコインテレグラフとの取材の中で語ったように、仮想通貨スペースにおける価格予想は極めて困難だ。

「もちろん私が間違っていて1000ドルまで急騰するかもしれない。だが先物戦略は仮想通貨の真の成長を阻害する働きをするように思われる。あらゆる価格予想が意味を失ってしまったビットコインに関しては、間違いなく事実であると言える」

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