ービットコインの基本情報ー

ー目次ー

  1. ビットコインを一言で

  2. ビットコインの誕生

  3. ビットコインの仕組み

  4. ビットコイン賛否両論

  5. 購入方法

  6. まとめ

 

①ビットコインを一言で

ビットコインは、この世で最初に作られた仮想通貨だ。「仮想通貨」はその名の通り実体のない通貨。預金通帳のように、いくら入金され、いくら出金したかという取引情報(台帳記録)のみ確認できるが、ビットコインの実物を引き出すことはできない、と言うよりも存在しないのだ。

ビットコインは仮想通貨の第一号として2009年に誕生して以来、今なお世界中で使用されている。インターネット環境さえあれば、24時間、世界中どこにいても、国境を越えたビットコインの取引が可能だ。つまり、銀行などの金融機関が機能不全に陥った紛争地域への援助金、政治により国交が断絶した地域に住む家族・友人への送金もビットコインなら可能だ。また、送金コストは従来の手続きや送金手数料と比較してかなり低いのもビットコインの魅力の一つと言える。

このように、ビットコインはこれまでの通貨が直面してきた「技術的・制度的な障壁」、「政府や銀行が保持してきた既得権益」を乗り越えた全く新しい通貨の在り方を示している。

 

② ビットコインの誕生

ビットコイン生みの親・サトシナカモト

 

最初のビットコインがこの世に発行されたのは2009年1月3日アメリカでの出来事。サトシ・ナカモトを名乗る人物がビットコインを考案し、それを最初に手にしたと言われている。

「サトシ・ナカモト」とは、ネットのチャットルームに用いられたユーザーネームであり、実際の人名でなければ、日本人なのかアメリカ人なのか、男なのか女なのか、更には個人なのかグループなのかすらも分からない匿名の人物。このサトシ・ナカモトが誰なのかという件に関しては、しばしば私がサトシ・ナカモトだと称する人物が登場するが、実際に本人であると証明された試しは無い。

 

サトシナカモト(satoshi nakamoto)とは

*画像はサトシナカモトとしてメディアに注目された日系アメリカ人「ドリアン・プレンティス・サトシ・ナカモト氏」。本人はサトシナカモトであることを否定。サトシナカモトを巡る推測は他にもオーストラリア人のクレイグ氏とする説等、多数存在する。

サトシナカモトは、2008年ビットコインの構想を記した9枚に及ぶ論文をインターネット上に公開。興味を示した数人のプログラマーとの試行錯誤(開発)を経て、2009年にビットコインをスタートさせたのだ。


初のビットコイン取引はピザ!?

ビットコインが世界で初めて通貨としてモノやサービスの交換に利用されたのは、2010年5月22日。アメリカのフロリダ州にて、あるプログラマーが1万ビットコインをピザ2枚との交換で取引を成立させたことが最初の使用例と言われている。

ビットコインが史上最高価格を記録した2017年、1BTC=約200万円。つまり、ピザを買って届けただけで、200万円/1BTC×1万BTC=200億円を手にするチャンスを得たかもしれない人がいたという事になる。今ではこの事を記念して、5月22日は「ビットコイン・ピザ・デー」という記念日が設けられている。

ビットコインはその後、紆余曲折を経て少しづつユーザーや決済受け入れ店舗を増やしていく。日本国内では、ビックカメラでのビットコイン決済が代表的な例として挙げられる。ただ利用可能な場所が増えてきたとは言え、まだまだ一般に普及したとは言い難い。ビットコインを決済手段の一つとして使える場面をより拡大させていく事が今後の課題でもある。

 

ビットコインが初めて使われた時

③ ビットコインの仕組み

みんなで管理・運営するシステム

ビットコインはこれまでの製品開発と比較すると、全く異なるコンセプトの下に作られた、全く新しいモノ・サービスであると言える。それが「分散 / 非中央集権(decentralized)」という発想だ。

みんなで開発して、みんなで管理・運営を行い、みんなで利用し利益を共有できることを前提にビットコインがつくられた。そのため、ビットコインのソフトウェアはPCに余裕があれば誰でも無料でダウンロードすることができる。このビットコインソフトウェアをもっている複数の人が、ネットワーク上で共同作業を行うことで、ビットコインは管理・運営される。しかし、どんな人が作業をしているのか、みんな本当に責任をもって作業にあたっているのか、これらについては一切の責任を保証する期間はない。

例えば、通貨「円」の場合、日本銀行をはじめとする金融機関が責任をもって「円」を管理しているので、私たちは疑うことなく「円」を通貨として利用することができると考えられる。これは、ある特定の機関が通貨の信用を堅守することで、その通貨の管理・運営を実現させているからだ。

一方のビットコインは、これら既存の通貨管理方法とは真逆を行くものであると言える。ビットコインの信用は、「人」や「機関」ではなく、「システム」とそれを支える「技術」が担保することで、通貨としての信用を確立することに成功しているのだ。この事をしてビットコインは「トラストレス:Trustless」と評される事もある。いずれかの機関や人が管理を行うとそこに力が集中し、またそれはいずれ権力となってしまう。この構造を回避するための「みんなの管理」なのである。


ビットコインの技術

ビットコインを支えるブロックチェーンやP2Pといった技術自体は、70年代、80年代に考案されたものが多く、90年代には既にその土台となる概念が完成していたと言われている。

特にP2P技術に関して言えば2000年代前半にWinnyというファイル共有ソフトが日本でも流行った事があり、ビットコインが誕生する以前に、既に多くの人が利用可能な技術として広く公開されていた経緯がある。またそれ以外ではSkypeもP2P技術を使ったソフトウェア(正式名称はSky peer-to-peer)であり、ビットコイン誕生以前に多くの人はP2P技術を使ったサービスを利用していた。

つまり、それらの後に登場したビットコインは最新技術というよりは、ある程度議論・検証された技術をもとに考案されていると言えるだろう。


ーブロックチェーンー

ビットコインとブロックチェーンの仕組み

ビットコインを支える根幹技術を「ブロックチェーン」と言う。

ビットコインの取引情報の記録(台帳)を誰か(どこかの機関)が責任をもって作成しているわけではなく、この「ブロックチェーン」という技術がビットコインの台帳を責任者不在でも確実に作成することを可能にしている。

「ブロックチェーン」はその名の通り、「ブロック」が「チェーン」状に連結されるような形でデータ(台帳記録)の管理を行う技術だ。「ブロック」には、一定量のトランザクション(仮想通貨の取引情報)が集約されている。一番最初のブロックをジェネシスブロックと言い、それを起点に時系列に沿って(古い順に)複数のブロックがチェーン状に繋がれていく。このチェーンの先端にあるブロックに、新たな取引情報を集約させたブロックが連結されることでビットコインの取引(送金)が完了する仕組みだ。

連結されたブロックの情報は「ハッシュ関数」を用いた暗号化が施される。これは記録された取引情報が二度と変換されないようにするためだ。さらに、連結されたブロックには、一つ前のブロックの情報も入っている。そのためビットコインのトランザクションを書き換えようとすると、それ以前に形成されている全てのブロックの情報も書き換える必要があるといった無謀な作業を強いられることになる。このように、強固な暗号が施されたブロックがチェーン状に繋がれることで、さらに強固なセキュリティを実現しているのだ。

暗号学の世界では、このハッシュ関数を用いて暗号化された値(ハッシュ値)は現在のコンピュータを用いて復号(暗号化されている値を導き出す事)することは不可能であると言われている。

 

ハッシュ関数とは

*ハッシュ関数は「不可逆性」という変換されたある値を元通りにできない性質を持っている。ビットコインをはじめとする仮想通貨はそのハッシュ関数をうまく利用した堅牢な暗号技術を搭載していることから、「暗号通貨」とも呼ばれる。

このように、あるトランザクションを改ざんすることは、現状不可能であり、たとえ奇跡的に復号化に成功したとしても、連なるブロック全ての暗号を解かなければならない。これは相当な時間と労力のかかる作業であるため、そもそも改ざんしようとする事自体が無謀であると考えられる。

このように、ビットコインは暗号技術とユニークな設計を施した「ブロックチェーン」という技術によって、台帳記録の保管を確実に行うことを可能にしている。

 

ーP2P(ピア・トゥ・ピア)ー

ビットコインの取引記録はある特定の誰かが行っているわけではなく、ビットコインソフトウェアを持つ不特定多数の人々によって行われる。

そして、彼らがリアルタイムで共同作業を行うために、「P2P」というオンライン接続方法を用いてネットワークを構築する。これは「分散型ネットワーク」と呼ばれており、私たちの生活に馴染みのあるネットワークではない。

私たちの生活に馴染みのあるネットワークの仕組みは、下のイメージ図の左側に示すように、中央にネットワークを管理する管理者(中央サーバー)がいて、情報やサービスの提供をコントロールしている。これを中央集権型ネットワークと呼ぶ。

中央集権型のネットワークではデータが一点に集中しているので、ある特定の情報に対して素早いアクセスやデータの獲得が可能だ。しかし、アクセスが多ければ多いほどスピードは遅くなり最悪の場合、サーバーがダウンし、アクセスできなくなる。またデータが一点に集中している事からサイバー攻撃の対象や権力者によるアクセス権限の設置など、個人情報を自分一人の力では守りきれないことや、表現の自由であったり、情報アクセスへの自由を奪われるリスクがある。

 

P2Pネットワークの仕組み

P2Pによるオンライン接続は、イメージ図・右に示すように中央サーバーを介すことなく、個人が直接的につながることのできる接続方法を意味する。図からもわかるように、このネットワーク上に権力が集中する点がないことから、「分散型ネットワーク」、または「非中央集権型ネットワーク」と言われる。

分散型ネットワークの場合、ネットワークを構築する個人がデータをお互いに共有しているので、中央集権型ネットワークが抱えるようなリスクを分散することができる。

ビットコインネットワークは、P2Pによって構築されており、何万という人々が国境を越えて参加している。そのため、誰か一人がPCの電源を切っても、ビットコインの取引ができなくなることはない。災害によってある国や地域が機能不全になったとしても、ビットコインのソフトウェアが停止することもない。*この特性を「ゼロダウンタイム」と言う。

これまでの金融機関であれば、「サーバーメンテナンスのためサービスを一時利用できません」ということや、「日曜日はお金を引き出せない」といったことがあったが、ビットコインは24時間利用することができる。

*「bitnodes」というサイトでは「現在」のノード(ビットコインネットワークに参加している人)の数とその位置について視覚的に確認することができる。

世界に広がるビットコインネットワーク

引用:https://bitnodes.earn.com/


ビットコインのシステム

 

ビットコインソフトウェアを持つ不特定多数の個人がP2Pで構築されるネットワーク上に集まり、どのように共同作業を行うのか。管理者のいない空間で、全ての人が協力することは可能なのか。

 ーマイニングー

マイニングは、P2Pでつながった不特定多数の個人が、ビットコインを獲得するために行う作業だ。そして、その作業が、見ず知らずの人々がビットコインの取引情報を正確に記録することを可能にしている。つまり、マイニングとは「ビットコインの獲得(発行)を目的に行う取引情報の記録」と言うことができる。

ビットコインのマイニングとは

マイナー(マイニングを行う個人)はビットコインの取引情報を集め、一つのブロックを形成する。そして、自分の作ったブロックをこれまでの取引記録が連なったブロックにつなげることができれば、報酬としてビットコインを受け取ることがでる。(ビットコインの発行)しかし、そのためには二つの条件、「ナンスを見つけ出すこと」「ブロックが承認されること」、を満たす必要がある。

 

その1. ナンスをどのマイナーよりも早く見つけ出すこと

 「ナンス / nunce(number used once)」とは、ランダムに生成された使い捨ての数字で、新たなブロックを連結させる際に必要な値だ。

しかし、ナンスを探す手掛かりは、ハッシュ値化されたナンスの値のみ。ハッシュ値から規則的に元の値をもとめる事は不可能なので、ナンス値を特定するにはコンピュータによってランダムな数値をハッシュ関数に入れて確かめてみるしかない。そして、ハッシュ値化されたナンスの値をいち早く特定するために、マイナーの間でコンピュータの計算競争が始まる。この競争は、マイナーがナンスを見つけ出すスピードが10分に1度になるようにナンスを特定する難易度(ディフィカリティー)が調整される。よって、マイナーの数が多ければ多いほど、ナンスを見つけ出す難易度も上昇する。

このようなプロセスゆえ、処理能力の高いコンピュータや複数台のコンピュータを持つマイナーほど優位である(ナンスを見つける確率が高い)と言える。

この競争の結果、いち早くナンスを見つけ出したマイナーだけが、次のブロックを生成する権利を得る。すなわち、ビットコインを獲得することができるのだ。運よくナンスを探し出せれば、PC一台で大金を手に入れるチャンスがあるとも言える。

このように、早くナンスを見つけた者がビットコインを獲得できるといった競争原理を導入することで、より多くのマイナーがビットコインを求めてマイニングに参加したいと考えるようになる。結果的に、より多くのマイナーが参加すればするほど、ビットコインの監視の目を強化することにつながり、より信頼の高い通貨を確立することができるようになる。

発行上限2100万BTCと半減期

もう一つ競争原理を加速させる仕組みがある。

それは、ビットコインの発行上限枚数が約2100万BTCと決められていることだ。発行枚数に上限があるので、今後ビットコイン1枚当たりの価値は、ビットコイン経済圏が拡大すればするほど生まれる需要に比例し上昇していく。

2019年時点で、すでに全体の約8割が発行済みで、2033年には全体の99%のビットコインが発行される予定だ。最後の1枚は2140年に発行される。さらに、発行されるビットコインの額も決まっているが、これが4年ごとに半減していく。2009年の発行当初は50BTCだったが、4年後の2012年には25BTCに、2016年では12.5BTCになっている。したがって、より早くマイニングに参加した方が額面的にも、確率的にもお得であると言え、より多くのマイナーの参加意欲をかき立てる設計になっているのだ。

またビットコインはまだ確率された管理手法が存在しないため、個人で管理しているビットコインを秘密鍵の紛失等により引き出せなくなる事象も度々発生している(これをセルフGOXと呼んだりもする)これにより総発行数量は時間の経過とともに2100万枚から減って行くとする考え方もある。

但し、一方でビットコインからハードフォークして誕生したビットコインキャッシュ(BCH)やビットコインゴールドのように新たに通貨として増やせるのであれば、総発行枚数が決まっているとは言えないのでは、という指摘する人もいる。

 

ビットコインの発行枚数とは

その2. 作成されたブロックが「承認」されること

ナンスを見つけ出したとしても、生成するブロックが「承認」されなければ、報酬を得ることはできない。

「承認」は、ナンスを見つけた者が生成するブロック内の取引情報の整合性(正しさ)を保つために必要な作業だ。そして。「承認」はブロックを連結させることのできなかった(競争に敗れた)その他のマイナーによって行われる。

もし、ブロック内に不正な取引情報が含まれていれば、その他のマイナーがそのブロックを無効にすることができる。つまり、マイナーたちがそのブロックに賛同しないという意思表示を行うことで、別のブロックを形成することができるのだ。そして、過半数のマイナーから賛同が得られれば、ブロックが「承認」され、マイニングに成功した事になる。

このようにブロックの正しさは、過半数のマイナーによる「承認」によって決定される。

 

ブロックチェーンの構造
 

ープルーフ・オブ・ワーク(PoW)ー

Ⅰで説明した「競争原理」とⅡで説明した「承認プロセス」を通して、ビットコインの発行と台帳の作成を行う一連の流れを「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」と言う。

プルーフ・オブ・ワーク(PoW)は、ビットコインのセキュリティを確立し、その価値を保証するために、大多数のマイナーが正しい判断を下すように設計された仕組みだと言える。

とりわけⅡの承認プロセスにおいて、大多数のマイナーは正しい判断をする方が得だと選択する動機付けがなされることで、正しい情報のみがブロックチェーン内に残ることになる。「ビットコインの獲得=正しい判断をすること」という方程式がマイナーの行動規範の中に自然と形成されるといった仕組みがプルーフ・オブ・ワーク(PoW)だ。

 

④ビットコイン賛否両論

 

スケーラビリティ問題

 

スケーラビリティ問題とは、ビットコインの送金完了までにかかる時間が大幅に延びてしまう問題のことだ。

トランザクションを収納する1個当たりのブロックサイズ(容量)が固定されている事と、ブロックの生成速度が10分に1回であるために、取引量が増えすぎた場合、処理が追いつかなくなり、送金の際に遅延が発生する。

これは仮想通貨の決済による利便性(流動性)を失うことを意味する。したがって、スケーラビリティ問題が解決されなければ、今後ビットコインが普及しないといった議論がしばしば見受けられる。

しかし、これは時代のニーズに合わせてビットコインをアップデートしていくことで解決できると考えられている。

現時点では、スケーラビリティ問題を解決する手段の1つとして「Segwit」という技術が導入されている。「Segwit」は、ブロックに収納されるデータ(トランザクション)を圧縮し、ブロックに入るトランザクションの量を実質的に増やすことで、スケーラビリティ問題に対処している。

またこのスケーラビリティの問題を巡っては2017年8月1日に「ビットコインキャッシュ」がビットコインからハードフォークする形で誕生した事がある。このハードフォークは、ビットコインのアップデートに伴い、アップデートに賛同するノードと反対するノードとで合意形成が達成されず、コミュニティが分断されてしまい、その結果、アップデート賛同派がビットコインよりも大きなブロックサイズを持った仮想通貨としてビットコインキャッシュというビットコインとは全く別の通貨として立ち上げた。

 

51%攻撃

 

51%攻撃とは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)の欠陥を突いたサイバー攻撃。PoWではブロックの「承認」は過半数のマイナーからの同意が得られれば実行できる。よって、過半数のマイナーが結託して、偽りのデータを「承認」させる事は理論上では可能であり、51%攻撃が成立する危険性がある。

しかし現実的には、非合理的な犯行であると考えられ、51%攻撃は起こりえないと考えるのが一般的なようだ。そもそも犯行を起こすまでに膨大な手配が必要である事や、少人数で行うにしても高性能なPCを何台も購入しなければいけない事など、費用的にも、労力的にも難しい。

さらに、自らの犯行によってビットコインの価値を棄損させた場合、価格が暴落しせっかく不正に入手したBTCが無価値になるリスクもある。こうなれば何のために膨大な費用と手間をかけてBTCを入手したのか意味が無くなってしまう。このように様々な観点から見て51%攻撃は非合理的であるため、実行には及ばないと考えられている。

 

電気代とCO2排出=環境問題

 

マイニングには、ナンスを探し当てる競争がある。これに用いられるコンピュータを稼働させるために膨大な電気が消費される。

費用面で考えれば、一回のマイニングで報酬として受取るBTCが、全マイナーが消費した電気代を上回るのであれば経済的であると言える。

環境面で考えれば、マイナーが増えビットコインがより信頼性の高い通貨になればなるほど、消費電気量が増加し、環境に悪影響を与える。

すなわち、BTCの価値が下落するのであれば、ビットコインは非経済的であり、かつ環境面への懸念が高まり、その存続が危ぶまれるかもしれないとする見解がある。

しかし、ビットコインの利用者は強固なコミュニティを形成しているので、環境保全に向けた取り組みや、核兵器撤廃に向けた取り組みが行われるのであれば、むしろ環境に良い働きをする事すら考えられるので、一概にビットコインが非経済的で環境に悪いとは言えない。また現在は”信用”を担保するために多くの物的・人的リソースを必要としており、それらのコストがもし不要となるのであれば、どうであろうか。

いずれにせよ、電気の無駄使いと環境破壊を単純にビットコインと紐づけることは難しいと考えられる。

 

揺籃期の仮想通貨業界

 

2014年の仮想通貨取引所マウントゴックスでのビットコイン流出や元社長による横領疑惑、コインチェックでのNEM流出など、揺籃期にある仮想通貨業界では、様々な事件が起こり、多くの被害が発生した。事件を受け、世間のビットコインに対する信用は低下し、価格も大きく変動する始末だ。

しかし、これらの出来事も実際にはビットコイン自体に問題があるというより、むしろそれを扱う人的ミスに起因する事件がほとんどであることに留意したい。

仮想通貨をよく知り、どのように扱うことがベストなのかを個人が確立していく必要があると考えられる。現在は、仮想通貨という産業の在り方の模索が続けられている段階なのだ。この点に関し、よく引き合いに出されるのがインターネットの黎明期との対比である。インターネットの場合も先行して株が大きく盛り上がり、それがひと段落した後で、現在では社会インフラにまで成長したIT産業の勃興があった。

現時点において確定的なことは誰一人として、主張することができないだろう。しかし、ビットコインをはじめとした仮想通貨が作り上げる未来に期待や希望を見出せるのなら、それを信じて実際に体感してみることから始めてみるのも一つの理解の方法である。

 

⑤購入方法

ビットコインを購入するためには、主に3つの購入方法がある。

 

仮想通貨取引所

 

国内外にある仮想通貨取引所で口座開設を行い、現金(日本円やドル)とビットコインを交換することができる。もちろんその後日本円に交換し銀行へ出勤する事も可能だ。なお、ビットコイン(BTC)は国内外問わず殆ど全ての取引所で扱いがある。

 

友人・知人を通した直接的な取引

 

ビットコインを持ってる友達から譲ってもらったり、現金を渡してビットコインと交換するなど利用者同士での直接的な取引を通してビットコインを入手することができる。

 

マイニング

 

マイニングに成功すれば報酬として、ビットコインを入手することができる。ただし、現在ではマイニング専門の企業や、マイニングの報酬を山分けするグループなどが形成されており、個人でのマイニングでビットコインを獲得するのは極めて困難であると言える。資金的に余裕があったり、高性能のコンピュータを持っているのであれば、マイニングでビットコインを入手することに挑戦してみても良いかもしれない。

 

⑥まとめ

 

  • ビットコインは2009年に誕生した最初の仮想通貨(暗号通貨)。
  • ビットコインはこれまでの通貨の概念とは異なり、「人」や「機関」が信用を担保するのではなく、「システム」とそれを支える「技術」が信用を確立することによって通貨として機能する。
  • ブロックチェーンは、ビットコインの取引情報の記録・保管を行うビットコインの根幹技術。ハッシュ関数により暗号化を施された取引情報は耐改ざん性に優れている。
  • マイニングは、マイナーがナンスを探し当て、自分の作ったブロックが承認されることで、報酬としてビットコインを受け取る一連の作業。またマイニングを通してビットコインの取引が正確に記録される。マイニングの成功はコンピュータの性能に左右される。
  • ビットコインが通貨としての信用を確立するための仕組み(システム)をプルーフ・オブ・ワーク(PoW)という。

 

現在のビットコイン(BTC)価格はこちらのチャートから。

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