ビットコイン(BTC)は、5月17日正午頃から30分ほどで約23%急落し、仮想通貨取引所ビットスタンプで一時6200ドル台をつけた。現在(17日16時45分)は7300ドル付近まで回復している。今回のフラッシュクラッシュの背景にあるのは、ビットスタンプで起きた5000BTC売却(現在約40億円)と見られている

(出典:TradingView「ビットコイン/米ドル(1日)(ビットスタンプ)」)

ビットスタンプの影響は他の取引所にも波及し、ビットコインの平均価格も7170ドル付近まで急落した(出典:CoinMarketCap)。

5000BTC売却の理由として、米仮想通貨メディアは「クジラ(大口の仮想通貨投資家」による売却」、「操作ミス」、「ボットの故障」などをあげているが、本当のところは何も分かっていない。

「計画的な大量売却」

仮想通貨投資会社プリミティブ・ベンチャーズの創業メンバーであるドビー・ワン氏は、5000BTCもの巨額資金を取引所に置く人はいないとし、「計画的な大量売却」であり「価格操作」だと指摘。犯人は、ビットメックスを使って100倍のショート(売り)レバレッジを仕掛ける一方、流動性の低いビットスタンプで売却し、ビットコインの急落で巨額利益を上げることを狙ったのではないかと分析した。

犯人はビットフィネックス?

日本時間17日の朝、ニューヨーク州の最高裁判所がステーブルコインUSDTを発行するテザーに対してビットフィネックスに通常業務以外で融資など資金供給をしないように命令したというニュースが飛び込んできた。

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ビットフィネックス批判の急先鋒として知られるツイッターアカウント名Bitfinex'edは、このニュースと今回の大量売却を関連付け、犯人はビットフィネックスではないかと主張。「ビットフィネックスは歴史的にビットスタンプで大量のBTCの取引をしてきた」と指摘した。

追記(5月17日午後8時)

仮想通貨取引所ビットスタンプがツイッターを更新し、17日に大量の売り注文が出たことを正式に発表した

「今日、巨額の売り注文が我々のBTC/USDペアで事項された。我々のオーダーブック(板情報)に大きな影響を与えた。我々のシステムは、デザイン通りに動き、顧客の注文通りにプロセスした」