ビットコインキャッシュSV(BSV)は、ビットコインキャッシュ(BTC)のハードフォーク(分岐)により誕生した新しいコインだ。あるリサーチャーが、BSVネットワーク上の「0-conf」トランザクションで、ユーザーの誰もが同じBSVコインを二重に使用できることを実証し、12月8日に公表、これによりBSVは新たな論争に直面することとなった。

ビットコイン(BTC)のハードフォークにより17年8月に誕生したビットコインキャッシュは、トランザクションを迅速に処理するために「0-conf」を使用する。すなわち、トランザクションが有効であることを承認する前に、トランザクションをほぼ必ず、次のブロックに受け入れるのだ。

「reizu」というユーザーは、オンライン動画共有サービス「Vimeo」に投稿した実証映像以外にも多面的な実験を行っており、「0-confトランザクション」でBSVコインを 「二重に支払う」ことに成功、攻撃に対するBSVネットワークの脆弱性を実証すると同時に、二重支払ができるのはマイナーだけと(BCHに関して)説くクレイグ・ライト氏の主張を論破した。

reizu氏の二重支払実証映像は、二重支払検知機能が盛り込まれたPOS(point of sale:販売時点情報管理)小売りアプリケーション「POP!」を利用し、撮影された。

reizu氏は、「私は、ビットコインSVネットワーク上で多数の二重支払を行った」と、 Honest Cashに投稿した12月8日の記事に記している。 Honest Cashは、11月のハードフォーク後に作成されたBCHベースのソーシャルネットワークだ。 Honest Cashの情報ページによると、同サイトは11月15日のハードフォーク中に他のプラットフォーム上で検閲が観測されたことに応じて作成されたものだという。

BSVは、11月中旬の誕生当初から複数の困難に直面している。

BSV誕生後1週間、著名な批評家たちは、BSVがビットコイン(BTC)の分散型ネットワークとは対照的に、中央集権化していると非難、ブロックチェーンの再編成は、BSVネットワークにかなり否定的な評判をもたらすことになった。

reizu氏は、調査の一環として、BSVネットワークが「非常に集中化している」兆候も報告している。

「採掘されたトランザクションを2つ3つ調査したところ、それらの採掘されたトランザクションは、ほぼ毎回同じノードに送られたものであることを発見した」

reize氏は、合計450のノードのうち、わずか4つのノードが、ネットワークの合計ハッシュレートの75%を制御していると結論付けた。

これまで、技術的な問題がBSVの価格にブレーキをかけてはいないようだ。BSVはライバルであるビットコインキャッシュABC(BCH)の時価総額を12月7日に抜いている。