ベネズエラのマドゥロ大統領:インフレが続く中、ペトロ価格を150%引き上げ

ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、ベネズエラでハイパーインフレが継続する中、国営仮想通貨ペトロ(Petro)の基準価格引き上げを行った。大統領が公式Twitter上で、11月30日、発表した。

中南米のテレビ局テレスールによると、マドゥロ大統領が初めてペトロの新価格を発表したのは、11月29日のことだ。ペトロの価格は、かつての3600ボリバルから、現在は9000ボリバル・ソベラノ(ソブリン・ボリバル)に設定されている。

11月29日、ベネズエラの首都カラカスで演説中、マドゥロ大統領は、最低賃金月額の150%引き上げも同時に命じた。今回の賃金引き上げは18年に入って6度目のことで、マドゥロ大統領の在任期間すべてを含めると25度目だ。

さらに、その週の後半、ベネズエラでは、同国の公式為替レート「Dicom(ディコム)」の切り下げも実施されていたことを、ブルームバーグが12月1日に報じている。ベネズエラの自国通貨は、11月30日の1ドル=96.84ボリバル・ソベラノから、翌12月1日には1ドル=171.67ボリバル・ソベラノへと、40%も下落している。

ベネズエラの主要新聞エル・ユニバーサルは、ベネズエラ人エコノミスト、レオナルド・ブニャック氏の発言を引用する。同氏は今回のベネズエラ政府の動きを、「ベネズエラ人にとって非常に悪いニュース」だと述べているという。ブニャック氏は、ベネズエラ政府が、賃金引き上げための資金を供給することができないと考えており、その結果、必然的に再び価格上昇が起こり、さらにもう一度ハイパーインフレが発生すると語る。 「ボリバルをペトロに固定するということは、つまりは、ペトロを無価値なものに固定するということだ」とブニャック氏は語った。

ベネズエラで進行中の経済危機は、石油生産による収入の不足が原因で引き起こされた。ブルームバーグがベネズエラのハイパーインフレを追跡調査するために作成した、コーヒー1杯の平均価格をサンプルとするカフェ・コン・レチェ(ミルク入りコーヒー)指数によると、ベネズエラの年間インフレ率は、 200,000%まで上昇していたという。

コインテレグラフが8月に報じた通り、マデュロ大統領は、給料や商品・サービスの価格設定制度を、石油に裏打ちされた国営仮想通貨ペトロに紐づけ、ペトロを国内の計算単位とした。

ベネズエラにおけるペトロの正式な販売は、今年11月に開始済みで、マドゥロ大統領を含む複数の高官が公式サイトを通じてペトロを購入している。しかし、ペトロは依然として大手仮想通貨取引所では取引されておらず、他の仮想通貨とペアで取引することもできない状態だ。

ニコラス・マドゥロ大統領のレポート

国営仮想通貨ペトロに関し、ロイターが8月に調査報道の記事を掲載し、ペトロの裏付けとなる石油が存在する証拠がほとんどないことが判明して以降、専門家たちは、ペトロの実存に懸念を抱いていた。

ロイターの調査によると、マドゥロ大統領がペトロの裏付けとなる原油が眠っていると主張したアタピリレ地域では、ここのところ石油産業が活動している様子は一切見られなかったという。他の専門家たちは、ニュースメディア「ワイアード」に対し、ペトロはマドゥロ大統領が最近になって国の法定通貨ボリバル・ソベラノの再建に失敗したことを隠匿するための「煙幕」にすぎないと語っている

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— コインテレグラフ⚡仮想通貨ニュース (@JpCointelegraph)