バレンタインデーはロマンスの日だが、この年間イベントは愛を求める人々が詐欺の犠牲になる可能性を思い出させる。オンラインデートは大きなビジネスであり、2024年には31億ドルの市場規模になると予想されている。また、Statistaは2027年までにオンラインデートユーザーが約4億4000万人にのぼると推定している。
バイナンスのセキュリティ・コンプライアンス部門が公表した2月14日のレポートでは、ロマンス詐欺の増加傾向を概説している。ノートンの2023年サイバーセーフティインサイトレポートのデータを引用し、調査を受けた成人の4人に1人がオンラインデートまたはロマンス詐欺の犠牲になったと報告している。
米連邦取引委員会は2016年にデート詐欺やロマンス詐欺の苦情を1万1235件受けた。この数はそれ以降、急増しており、2022年には約7万件の報告があり、疑いもなく愛を求める人々に13億ドルの損失をもたらした。
最近の米財務省のレポートでは、グローバルなマネーロンダリングでは依然として現金が主であるが、ロマンス詐欺分野での被害額の34%が仮想通貨によるものだったという。
バイナンスは2023年の内部データを引用し、ロマンス詐欺が総報告件数の2%を占めると推定している。保守的な推定でも、被害者1人あたりの平均損失は1万4000ドルになるという。
信頼を悪用する
バイナンスの金融犯罪コンプライアンス部門の責任者であるティグラン・ガンバリヤン氏は、米国の税務当局での元調査官としての経験を振り返り、ロマンス詐欺師と金融詐欺師を比較する。
「特別調査官としての経験を振り返ると、これらの詐欺は、詐欺師があなたのお金を手に入れるために嘘を売るスキームと変わらない。彼らのアプローチの本質は同じだ:信頼を悪用し、詐欺の目的を達成するためにつながりをでっち上げる」とガンバリヤン氏は語る。
バイナンスのインテリジェンス・調査部門によれば、あるユーザーのケースでは、Tinderを通じて知り合った詐欺師から総額で10万ドルの被害があったという。さらに示唆に富むのは、ある個人がソーシャルメディアプラットフォームで仮想通貨トレーダーに出会ったケースだ。数か月にわたり、詐欺師はダイレクトメッセージと電話を通じて信頼を築き上げた。最終的に被害者は50万ドル相当の仮想通貨を詐欺師に送った後、連絡が途絶えてしまった。このケースでは、バイナンスは法執行機関を支援し、被害者の資金の20万ドルを回収することに成功したという。
豚の屠殺詐欺はトレンドが続く
豚の屠殺詐欺は、さまざまなセキュリティ会社や法執行機関によってオンラインで増加傾向にあるという。
Sophosは2024年1月にこの問題に関する独自調査を発表し、豚の屠殺詐欺がオンライン詐欺の中で最も急速に成長しているセグメントの1つであり、米国の被害者が詐欺的な仮想通貨関連の投資スキームに数十億ドルを失っていることを示唆している。詐欺師はまた、分散型金融(DeFi)の分散型アプリおよびプロトコルを、信頼を築いた後に被害者をだまし取る手段としてますます使用しているという。。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン