ブロックチェーン分析会社グラスノードのデータによると、ステーブルコインのUSDコイン(USDC)は、FTXの破綻以降、人気が高まり、今では主要な競合相手であるテザー(USDT)が記録した1日の送金量の4~5倍に達している。

USDTの時価総額はUSDCより230億ドルも大きいにもかかわらず、送金量ではUSDCの方が上回った形だ。1月10日時点で、送金量の差は4.5倍の差でUSDCに軍配が上がっている。

11月6日にFTX問題が噴出して以降、2つのステーブルコインは送金量が急増した。それ以来、グラスノードのデータによると、USDCはUSDTと比較して仮想通貨ユーザーに選好されるようになった。

Total transfer volumes for USDC (In blue) and USDT (In green) from Oct. 8 to Jan. 10. Source: Glassnode.

ステーブルコインは1ドルに近い価格で取引できるように設計されており、発行者が保有する準備金に裏付けられているが、仮想通貨コミュニティの一部では、USDCの方がより安全な選択肢であると考えているようだ。

USDC支持者は、USDCの資産が現金または短期米国債に裏付けられていること、世界的な会計事務所グラント・ソントンによる月次監査があることをより安全な理由として挙げている。

テザーについては準備金の透明性が低いという批判に何年も前から直面している。

USDTを運営するテザー社は2021年10月、商品先物取引委員会から4100万ドルの罰金を科されている。同社のトークンが法定通貨に完全に裏付けられていると主張したにもかかわらず、2016年から2018年の一部期間で十分な準備金を保有していなかったという。

テザー社は、発行したトークンの裏付け資産のうちコマーシャルペーパーの割合を減らし、より安全な代替品を選ぶようになり、最新の資産内訳では、460億ドル近くが現金、銀行預金、米国債で構成されている。