米財務省と主要な金融監督機関は、非銀行金融機関を「(金融)システム上重要」指定をしやすくするための新たな規則案を提案した。実施されれば米連邦準備制度理事会(FRB)による監督と規制が容易になる。非銀行機関とは銀行免許を持たないが特定の金融サービスを提供するあらゆる組織の総称だ。

4月21日に開催された金融安定監督委員会(FSOC)会議で米財務省のジャネット・イエレン長官は、現行の監督不足と、これら非銀行機関が苦境に陥ることによる金融危機の拡大に対する懸念をのべた

従来の銀行機関とは異なりこれらの非銀行金融機関は連邦預金保険公社(FDIC)の保険によって守られていない。非銀行機関にはベンチャーキャピタル、仮想通貨企業、ヘッジファンドなどが含まれる。

米財務省の公式ツイッターは本日金融安定監督委員会は非銀行指定に関する既存の指針を改訂し、新たな金融安定のための枠組みを発表する提案を行った」等と発信している。

「現行の指針は2019年に発行されたもので指定プロセスにおいて不適切な障壁を設けている」とイエレン氏は語った。

イエレン氏によれば新しい指針では大手金融企業に非銀行ステータスを指定する障壁が取り除かれ、現行の最大6年という指定プロセスが短縮される。

会議に出席した関係者によれば指定プロセスが短縮されることで、規制当局と機関間のコミュニケーションと具体的な議論が十分に行われという。

また新しい指針は2019年の規則を置き換え、委員会が「企業の財政的苦境や企業活動が米国の金融安定に脅威をもたらす可能性がある」と判断する分析プロセスを改訂する。

イエレン氏はまた「先月の(仮想通貨関連企業や取引銀行の破綻といった)出来事は、私たちの仕事がまだ終わっていないことを示している。緊急時の介入権限は重要だが、それと同じくらい重要なのは金融における混乱が最初から広がるのを防ぐことができる監督・規制体制だ」と語った。