米財務省の外国資産管理局(OFAC)は、フェンタニル製造に関与するとされる個人や企業とつながりがあるとされる仮想通貨ウォレットに対して制裁を加えた。
10月3日、米司法省は中国に拠点を置くいくつかの化学メーカーとその従業員たちに対する起訴を発表した。これらの企業や従業員は、違法フェンタニルの流通スキームの一部として仮想通貨取引を利用したとされている。
米当局によると、これらの企業は「自身の身元や、資金の所在・動きを隠蔽するために仮想通貨取引を利用する傾向がある」と指摘され、少なくとも3人の個人が決済のための仮想通貨ウォレットを保有していたと特定された。
OFACはビットコイン(BTC)、イーサ(ETH)、USDコイン(USDC)、テザー(USDT)、トロン(TRX)のウォレットを、複数の中国人や化学品メーカーとともに特定指定国民(SDN)のリストに加えた。
財務次官のワリー・アデヨモ氏によれば、この取り締まりは違法薬物ネットワークを取り締まることを目指したものだという。「関連する1ダース以上の仮想通貨ウォレットを特定し、ブロックした」とアデヨモ氏は語った。「ブロックされたウォレットは数百回の取引を通じて数百万ドルを受け取っていた」という。
米国では違法フェンタニルが社会問題化している。この薬物は2021年に6万7000人以上の死亡を引き起こしたと推定されている。米議会のエリザベス・ウォーレン上院議員は、5月の公聴会で仮想通貨とフェンタニルなどの違法薬物取引との関連性を非難していた。
また10月の第1週は、オンラインマーケットプレイス「シルクロード」の創設者であるロス・ウルブリヒト氏が投獄されてから10年目を迎えた。そのマーケットプレイスでは仮想通貨決済が行われ、多くの麻薬取引を助長したとして批判されているが、ウルブリヒト氏は依然として仮想通貨業界で多くの支持者を持っている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン