マサチューセッツ州上院議員エリザベス・ウォーレン氏は、仮想通貨決済と中国企業が提供する麻薬鎮痛剤「オピオイド」の一種「フェンタニル」を含む錠剤との関連性を示唆した。

5月31日の米国上院銀行委員会の中国に関する公聴会で、ウォーレン氏はブロックチェーン分析企業エリプティックの報告を引用し、中国企業における「違法な薬物取引」と仮想通貨との関連性を示唆した。エリプティックは5月23日に、フェンタニルを含む錠剤を供給する約90の中国企業のうち、90%がビットコイン(BTC)を含む仮想通貨での支払いを受け入れる意向であると報告している。

「仮想通貨は中国では禁止されているはずだ」とウォーレン氏は言い、エリプティックの報告のデータを引用して、「昨年だけで、中国のフェンタニル仲介業者と関連する仮想通貨取引が450%増加した」と付け加えた。

米財務省テロ資金調査・金融犯罪担当次官補のエリザベス・ローゼンバーグ氏は、ウォーレン氏に対し、薬物仲介業者は匿名性のある仮想通貨取引を利用して支払いを行っている可能性が高いと説明した。ローゼンバーグ氏は、仮想通貨が中国企業の主要な支払い方法の一つであることを確認した。

ウォーレン氏は、違法な薬物取引に関与する企業への支払いに影響を与える規制のギャップを解消することを目的とした法案を再提出する計画だという。ウォーレン氏は2022年に「デジタル資産反マネーロンダリング法案」を初めて提出し、以前の仮想通貨に関する議会公聴会で法案の再提出を準備していることを示唆していた。

「議会はフェンタニルについて十分議論してきた。我々は反撃するために何かを提案するつもりだ」

米国国立衛生研究所のデータによれば、2021年にはフェンタニルを含む薬物の過剰摂取による死亡者が米国で7万人以上に上った。仮想通貨決済を利用した違法な薬物取引を頻繁に行っていた最も注目を集めるプラットフォームであるシルクロードは2013年に閉鎖され、創設者のロス・ウルブリヒト氏は終身刑に処された。