米議会下院のダーレン・ソト議員(民主党)は、ほとんどの仮想通貨はSEC(米証券取引委員会)によって規制されるべきでなく、CFTC(米商品先物取引委員会)が規制するべきだという見解を示した。10日付の金融ニュースサイト「チェダー」が報じた。SECが仮想通貨やICOに対して規制を強める中、米議会では党派を超えてこれに対抗する動きが出てきている。

記事によるとソト議員は、規制機関の管轄領域を明確にし、仮想通貨の分類法に関してもはっきりと区分を設けるべきだと指摘。その上で、米国証券法を適応することは「かなり強烈なことで本当の意味で証券でない限りマーケットを毀損する」と発言。次のように続けた。

我々は、SECを本当の証券のためにとっておくだろう。(中略)CFTCとFTCは、軽いタッチの規制機関だ。業界内では、彼らがほとんどの仮想通貨取引を規制するのにふさわしいというコンセンサスが形成されつつある

またソト議員は、米国が世界的に競争力を保ち続けるためにも、厳しい規制に異を唱えた。

我々は時々、米ドルが世界経済の基盤になっていることを当たり前だと思ってしまう。(中略)仮想通貨がより使われるようになれば、その優位性は失われる可能性があるかもしれない(中略)我々はもっとアグレッシブになって、仮想通貨取引のために肥えた土壌を提供し、テクノロジー関連企業が米国に残るように働きかける必要がある」

高まるSECへの圧力

米議会では、SECが仮想通貨を証券とみなして規制を強化する流れに対抗する動きが活発になってきている。先月末にはソト議員と共和党のウォーレン・デービッドソン議員が共同でデジタル資産を有価証券の対象外にする法案を下院に提出。1933年と1934年に制定された証券法を改正し、デジタル通貨を「証券」の対象外にすることが狙いだ。

また先月8日、ソト議員は、共和党テッド・バッド議員とも共同で仮想通貨の価格操作から消費者を守り、米国を業界のリーダーにするべく、2つの法案を発表していた。

仮想通貨擁護派のCFTC

一方、現在の仮想通貨業界とインターネットの黎明期を重ね、CFTCのクリストファー・ジャンカルロ委員長は昨年7月、仮想通貨市場の成熟化を待って規制を始めた方が良いという考えを明らかにした。同氏は米議会下院の農業委員会が開いた公聴会で、次のように発言していた。

私が良い例として指摘したいのは、1990年代、民主党政権と共和党議会が歩調を合わせてインターネットの発展を阻害しない方法を取ったことだ。規制は遅いがイノベーションの進化は速い。もちろん仮想通貨市場の動きに注意を払わなければならない。ただ規制を始める前に少し自由にやらせた方が良いと思う

 

 

昨年7月に米議会で開かれた公聴会で、ある専門家は、イーサリアムに見られるようにユーティリティートークンとして分散型のネットワークで使われるようになったら、証券とみなされなくなるかもしれないと主張。この場合はコモディティーとして扱われることを意味するので、SECの管轄ではなくなり、CFTCの管轄になるとみているという見解を述べた