米国の政府倫理局(OGE)が、職員に対して仮想通貨を持っているかどうか報告するように命令したことが18日に発表された新たなガイダンスの中で明らかになった。国土安全保障省、陸軍、司法省、退役軍人省などの機関で働く約200万人の公務員が対象だ。

 ガイダンスによると、政府倫理局は「仮想通貨を『本物の』通貨や法定通貨」とみなしていない。報告義務は、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)やブロックチェーン技術を使って配布されたトークンやコインなどのデジタル資産に適用される。

 「報告期限日に1000ドル以上の仮想通貨を保有していた場合や報告期間中に仮想通貨を保有することで得た収入が200ドル以上になった場合に報告義務が生じる。報告者は、仮想通貨の名前に加えて、取引所やプラットフォームを使っている場合はそれらの名前も合わせて報告する必要がある」

 ガイダンスによると「仮想通貨の使用や保有が増えるに従って職員の間から報告義務に該当するかどうか政府倫理局に問い合わせが増加」しており、今回のガイダンスは必然だったとみられる。

 またガイダンスによると、報告義務は特定のデジタル資産が有価証券と認識されているかどうかによって変わる。不確かな時は「報告義務の金額を上回る場合、政府倫理局の幹部が職員に対してその資産の取引状況について報告するように勧める」としている。

 さらにガイダンスは、デジタル通貨を「投資資産」とし「保有する職員には利益相反の恐れがある」とした上で「デジタル通貨も利益相反の対象外になることはない」と言及。「今後、デジタル通貨がより具体的に定義づけられる」のを待ってさらなるガイダンスを発表するかもしれないという。

 3月には韓国政府が、公務員が仮想通貨を保持、取引きすることを禁止すると発表。この措置は、政府が公務員に対して仮想通貨の保持を禁じた初の試みとみられている。韓国政府は「公務員は公務員法の自制の義務に従わなければならなず、仮想通貨取引きに関わった公務員は懲戒処分にする」と警告した。