米財務省は19日付の文書で、デジタル通貨のアドレスと制裁対象の個人との結びつきが明らかになれば、そのアドレスを制裁リストに追加するだろうと述べた・
外国資産管理局(OFAC)は、デジタル通貨のアドレスやウォレットを特定国籍業者リスト(SDN)に追加するかもしれない。この措置は、「制裁対象となっている人物と関連した特定のデジタル通貨識別子について、一般の人々に警告を与える」ものになるだろう。
この文書によれば、OFACのリストは「網羅的でない可能性」があり、「SDNにより、(問題のある)デジタル通貨識別子またはウォレットを所有している、もしくは関連しているとSDNに同定され、そのような財産を保有する者は、関連するデジタル通貨をブロックするのに必要な措置を講じなくてはならない。またウォレットないしアドレスの所有者、および関連情報を含む報告書をOFACに提出しなくてはならない」という。
OFACは唯一絶対のコンプライアンス上の解決策を示すわけではなく、リスク対応のコンプライアンスプログラムの作成は、企業や取引所、仮想通貨のユーザーの責任だと示唆している。このプログラムの仕組みは、顧客確認(KYC)手続きと類似しているように思われる。制裁対象のリストのスクリーニングやその他の関連措置が含まれることになるだろう。米国人および米国企業には、制裁によって禁止されるトランザクションへの関与や、違法な取引および関連のトランザクションへの関与がないことを確実にする責任が課されることになる。
財務省の主張によれば、犯罪者や悪意ある人物らと闘うために制裁が存在し、そこではデジタル通貨が「既存のツールを補完するものとして」使われる。
「我々の既存の体制のもとでデジタル通貨の違法使用との戦いを強化するため、OFACは制裁対象者と関連する特定のデジタル通貨アドレスの識別子をSDNのリストに加えるだろう」
この文書は、19日にトランプ大統領によって出された大統領令の後に出された。大統領令はベネズエラ政府が進める仮想通貨ペトロの使用を禁止するもので、同コインのイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に米国の投資家が参加することを禁止している。