アラブ首長国連邦(UAE)の中央銀行は、1月29日に中央銀行デジタル通貨(CBDC)プラットフォーム「mBridge」を使用してデジタル・ディルハムのクロスボーダー送金を初めて実施した。

ガルフニュースによると、5000万ディルハム(約19億9600万円)のCBDC送金は、マルチCBDCのmBridgeプラットフォームを通じて中国に送られた。シェイク・マンスール副首相は、中央銀行設立50周年式典の際にこのCBDC送金を行った。

プロジェクトmBridgeは、中国、香港、タイ、UAEの中央金融当局によって2021年に開始され、国際決済銀行(BIS)と提携している。このプロジェクトは2022年9月に初の試験運用を完了した。

mBridgeプラットフォームは各参加国の商業銀行を複数参加し、インフラとテクノロジーに取り組んでいる。

mBridgeに参加している商業銀行  Source: BIS Innovation Hub

米議会の議員の1人もmBridgeの進展に注目している。下院金融サービス委員会のメンバーであるマクシーン・ウォーターズ議員は、このプロジェクトが経済制裁を回避するための隠れ蓑として使用される可能性について懸念を表明した。

ブロックチェーン技術の普及と分散台帳上でのデジタル通貨の普及を受け、世界各国の政府は中央銀行によって発行されるデジタル通貨に向けた研究や開発を進めている。

BISの報告によると、世界中のほぼ90%の中央銀行がCBDCの採用を検討している。さらにアトランティック・カウンシルによると、11か国がCBDCを導入し、15か国が試験運用段階にあり、26か国が開発段階にあるという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン