仮想通貨(暗号資産)取引所ジェミナイの共同創設者であるテイラー・ウィンクルボス氏は、ビットコインの価格は米連邦準備制度理事会(FRB)に支えられると主張している。
8月25日のツイートで、FRBの政策がビットコインの動きを後押しし、今後もこうした傾向は続くと話した。
インフレブーストはBTCブースト
こうした発言の理由について、新型コロナウイルス対策のFRBの経済政策が、副次的にビットコインをより魅力的なものにし、ドルの価値を下げてしまうことを意味するからだという。
米国では27日にジェローム・パウエルFRB議長が演説を行う予定で、この中にはインフレ率を大幅に上昇させる内容が含まれると予想されている。このことから、今回、発行量と供給量が固定されているビットコインはより価値が高まるという。
「ジェローム・パウエル氏のリーダーシップで、FRBは引き続きビットコインの最大のブースターであり続ける」とウィンクルボス氏は指摘する。
「木曜日にパウエル氏は、FRBが高いインフレ目標を開始するためのスピーチを行う」
既報のように、バランスシートの上昇に伴い、金やビットコインの価格が上昇していることから、FRBが安全資産である両資産を塞いでしまうのではないかと予想されている。
8月にはヤルデニ・リサーチのエドワード・ヤルデニ社長はインフレ目標の引き上げは貴金属にとって「極めて強気」になると述べている。
(出典:Woobull「ビットコイン価格とビットコインインフレ率、ストック・フロー比率」)
0%金利の延長
一方でブルームバーグの報道ではFRBが短期金融市場を操作する目的で操作する政策金利が、5年間はゼロに近い状態を維持されることや、さらなる期間延長の可能性もほのめかしている。
これは2008年の世界金融危機以降から2015年末まで金利が0%だったことと同じ状況だ。
ホワイトハウスの元チーフエコノミストであるジェイソン・ファーマソン氏は「5年後も金利がゼロになっていても不思議ではない」と話している。
(出典:ブルームバーグ「FRBの政策金利」)
FRBはこれまで、マイナス金利を避けてきていたが、数年前から欧州中央銀行の援助のもと、これまでの慣行を変えようとしている。
5月にはこうしたマイナス金利がビットコインにチャンスを与えていると主張するレポートが発表されている。この中では米国の金利が近い将来マイナスに転じた場合、市場関係者は伝統的資産に代わるものを探す必要に迫られると指摘。
低金利、もしくはマイナス金利が採用されると、伝統的資産の全ての利回りが低くなるため、投資マネージャーを悩ませることになる。このため、魅力的なリターンを提供してくれる可能性のある代替資産を探すことを促す。
これによってビットコインが機関投資家に採用される機会が増加するかもしれない。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン