2人の著名テクニカル分析家がビットコイン相場はまだFOMO(取り残されることへの恐怖)になっておらず、半減期の影響はないという考えで一致した。

FOMOはまだ

コインテレグラフのインタビューに答えたアレッシオ・ラスターニ氏とピーター・ブラント氏は、ビットコイン相場は底をつけた可能性があるもののまだFOMOではないとみている。FOMOとは、Fear of Missing Out、つまり「取り残されることへの恐怖」を指している。価格が一定の水準に到達すれば静観中の投資家が相場に戻り、価格を一層押し上げる現象だ。

Youtubeフォロワーが20万人以上いるラスターニ氏は、「まだ我々はそこまで行っていない」と指摘。多くのトレーダーは「疑念」のフェーズにあると述べた。

その上で今月からビットコインに対して強気であるとしつつも、底をつけた確率は65%と見積もった。

「過去に週間チャートで下降チャネルを突破し21週平均線のような移動平均線を突破した時、2、3週間後に元に戻ったことがある。今回も起こるとは思わないが、可能性はある。(中略)あと1週間は21週移動平均線を超えた水準でのポジティブな動きを見る必要がある

一方ブラント氏も「まだFOMOしたとは思わない」と賛成。同じ人々がSNS上で「月まで上昇(To the moon)」と連呼しているが、弱気でもないし強気でもないという見方を示した。

ブラント氏は、大ベテランのトレーダーで、2018年にビットコインの80%以上の下落予想を的中させたことで知られている。

同氏はビットコインは最終的に10万ドルまで行くと主張。大事なことは「1日ずつ上昇する」わけではなく、数週間や数ヶ月の単位でパフォーマンスが悪い時期があることとし、10万ドルまで行く間にどのようなポジションを取るべきか意識した方が良いとアドバイスした。

半減期は「イベントではない」

テクニカル分析家である2人は半減期にはネガティブだ。

ラスターニ氏は、正直言って半減期は「イベントではない」と主張。確かに半減期近くでボラティリティがあるかもしれないが、マーケットは半減期について長い間知っていたとし、「大きな影響があるとは思えない」と述べた。

またブラント氏も「半減期がマーケットで大きな影響をもたらすとは思えない」と発言。織り込まれているだろうし、織り込まれていないとしても「率直によって、関係ない」と述べた。

人々は希望的観測で半減期を取り上げていると思う。誇張だと思う」

半減期では、ブロックを作成するマイナーに対する報酬が半減される。ビットコインのマイナーへの報酬は1ブロックあたり50BTCで始まり、これまで2回半減が行われた。次の半減期は来年の5月と推定されており、需給の関係が変わることから、価格にポジティブ材料とみるアナリストもいる。