選挙関連の慈善活動を行う非営利団体タスク・フィランソロピーが10月18日、ブロックチェーン基盤のモバイル投票アプリ「ヴォーツ(Voatz)」の試験運用のため、米オレゴン州のユマティラ郡とジャクソン郡と提携したと発表した。海外の基地で勤務している現役軍人およびその扶養家族の不在者投票に活用する。
ヴォーツのアプリでは、顔認証による本人確認を行い、スマートフォンを使って電子投票を行えるようにする。
タスク・フィランソロピーは、ブロックチェーンベースの投票の利点として、セキュリティと正確性、ヒューマンエラーの排除、投票の匿名性、投票数算出の迅速化、選挙制度に対する信頼性の向上、追跡可能なシステム状況記録、透明性を挙げている。
ユマティラ郡行政サービス局のダン・ロナイ局長は、今回の取り組みでは有権者の参加をうながし、市民が投票権を行使しやすくすることを目指していると語った。
また今回電子投票実現のため、オレゴン州の各郡、モバイル投票アプリ開発企業ヴォーツ、タスク・フィランソロピー、サイバーセキュリティ関連非営利組織「ナショナル・サイバーセキュリティ・センター(NCC)」とで提携した。
米国で広がるブロックチェーン投票
ヴォーツのブロックチェーン基盤の投票アプリは既にウェストバージニア州でも試験導入の実績がある。2018年に行われた米中間選挙の不在者投票にヴォーツを活用した。
またウェストバージニア州以外にも、コロラド州デンバーやユタ州がブロックチェーン投票の試験運用を行っている。
ただウェストバージニア州のブロックチェーン投票では、最近ハッキング未遂事件があったことも明らかになっている。
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2020年の米大統領選挙の民主党候補者の1人であるアンドリュー・ヤン氏は、ブロックチェーン技術を投票に活用することを公約に掲げた。ヤン氏は「技術の進歩を考えれば、投票所で列を作る必要はない」と主張した。
「(ブロックチェーン投票は)真の民主主義革命をもたらし、投票者を増やし、すべての米国人が選挙に参加するようになる」
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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版