テザー(USDT)を抜かした主要仮想通貨トップ10日は過去7日間でほぼ全て二桁%上昇をした。先日1万ドルを回復して長い間立ちはだかったレジスタンスを突破したビットコインよりもアルトコインの伸び率が総じて大きい。

(出典:CoinMarketCap「主要仮想通貨トップ10 」日本時間7月30日12時30分時点)

仮想通貨XRP(リップル)は、テザーを抜いて時価総額トップ3に返り咲き。30日に5周年を迎えたイーサリアム(ETH)やPoS(プルーフ・オブ・ステーク)に向けた大型アップグレード「シェリー」を終えたばかりのカルダノ(ADA)も堅調に推移している。

しかし、仮想通貨市場の中からは仮想通貨時価総額トップ30常連の顔ぶれが今後は変わるだろうと予想する声も出ている。ブロックチェーン分析企業メサーリのライアン・セルキス氏は、DeFi(分散型金融)の台頭を理由に、ビットコインとイーサリアム以外の上位30コインに厳しい未来が待ち受けていると予想した。

(出典:Coin360 日本時間7月30日午後7時時点)

XRPやビットコインキャッシュより小規模

既報の通り、DeFi(分散型金融)コンパウンドのガバナンストークンCOMP立ち上げをきっかけに、今年のDeFiブームは始まった。3月の大暴落の傷跡が言えない中、仮想通貨市場を引っ張ったのはDeFiの熱気だったと言っても過言ではない。

2017年のICOブームと比較する声があるものの、DeFiの場合は堅実なプロジェクトが多く「誇大広告ではない」ことから、今回は本物とみる声も少なくない。

ただ、セルキス氏によると、DeFIにはまだまだ上昇余地がある。

「DeFiの仮想通貨市場全体におけるシェア率は未だに驚くほど小さい。実際、我々がDeFiと呼ぶ市場全体はXRPやビットコインキャッシュより小さい」

(出典:Messari 「XRPとビットコインキャッシュ DeFi市場規模比較」)

DeFiはどこまで上昇?

セルキス氏は、ビットコインとイーサリアム以外で仮想通貨トップ30は「使えない第1世代の仮想通貨」や「”ETHキラー”と言われるゴーストタウン」、「死んだプロジェクト」で一杯だと主張。トップ30以外は目も当てられない状況で、「2017年の立ち上げ時に馬鹿げた評価額で資金調達をした数十億ドル相当のお蔵入りプロジェクト」と一蹴した。

先述のようにDeFiの市場規模が比較的まだ小さい一方で、市場規模の大きなコインの凋落が始まることから、セルキス氏は単純に資本の再分配が行われればDeFIはさらに伸びることになるだろうと述べた。

「仮想通貨全体の1.5%しかない。まだ始まったばかりかもしれない」

マイイーサウォレット共同創業者兼CEOのコサラ・ヘーマチャンドラ氏は、コインテレグラフジャパンに対して、DeFiの成長はICOと異なってもっと段階的だとし次のように太鼓判を押した。

ICOブームは法定通貨に関わったことで規制に抵触して死に絶えた。しかし、DeFIは違う。DeFiはどんな法定通貨とも直接的に関わらない。