ビットコインはどこまで下落するか？米地銀ショックで再び急落　10万4000ドルが防衛ラインに

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米国の地方銀行における信用リスクの高まりを受け、投資家心理が再び冷え込んだ。ビットコイン（BTC）は「第2のブラックフライデー」ともいえる急落に直面し、一時10万4000ドル台まで下落した。

株安・債券高・金高のリスク回避ムード

木曜のニューヨーク市場で、株式市場が下落し、債券は買われ、金は史上最高値を更新するなど、投資家のリスク回避姿勢が鮮明となった。

米国では金融不安が再燃しており、地方銀行が自動車関連の2社の破綻で打撃を受けている。オハイオ州の自動車部品メーカー、ファースト・ブランズ・グループは負債総額100億ドルで破産を申請。また、サブプライム自動車ローンを手がけるトライカラー・ホールディングスも10億ドルの債務を抱えて倒産した。

これらの破綻は、プライベートクレジット市場を中心とするリスクの高い融資慣行を露呈させ、金融市場への波及懸念が高まった。

地方銀行の1つであるザイオンズ・バンコーポレーションは、カリフォルニア支社の2件の融資で第3四半期に5000万ドルの損失を計上すると公表し、株価が13％急落。ウェスタン・アライアンスも、キャントル・グループVを相手取った訴訟を起こした直後に株価が11％下落した。

こうした流れを受け、S&P500は木曜の取引を0.63％安の6629.07で終了。ナスダック総合指数は107ポイント（-0.47％）下落し、ダウ平均株価も0.65％安の4万5952.24で引けた。

このパニックは仮想通貨市場にも波及し、トレーディングビューのデータによると、ビットコインは日中に一時10万4500ドルまで下落。仮想通貨市場全体の時価総額も5％減の3兆5800億ドルに縮小した。

金曜の下落で、ビットコインは10月6日の史上最高値12万6000ドルから16.5％下落。デリバティブ市場では大規模な清算が発生した。

清算総額は11億9000万ドル超に達し、そのうちロングポジションの清算が9億3520万ドルを占めた。ビットコインで3億1780万ドル、イーサリアム（ETH）は1億9630万ドルが清算された。

トレーダーのダーン・クリプト・トレード氏は「またしても市場全体で大規模な清算が起きている。下落相場でロングだけでなくショートも巻き込まれている」と指摘し、「大きなフラッシュ後にはいつもこうなる。トレーダーが損失を取り戻そうとして自滅する」と語った。

コイングラスのデータによると、ビットコインは10万5000ドル付近の流動性を吸収しており、まだ10万3500ドル付近にも多くの買い注文が残っている。このことから、ビットコインは一段安となり、同レンジ内の流動性をすべて掃き取った後で反発に転じる可能性がある。

ビットコインは金曜、10万5000ドルを割り込み、200日間単純移動平均線（10万7520ドル）を下回った。

これにより市場では、どの水準で下げ止まるかを巡る思惑が広がっている。

アナリストのブロック・ダイバーシティ氏は「現時点で$BTCに反転の兆しは見られない」とXで投稿。添付チャートでは、注目すべき水準として、先週のバイナンスでの安値10万1000ドル、さらに需要帯として9万5000ドルと8万8000ドル付近を挙げた。

「BTCが10万7400ドル付近でサポートを取り戻さない限り、これらの水準が下値目標となる」と同氏は述べた。

一方、アナリストのサイコデリック氏は「10万4000ドルが現在最も重要な水準だ」とし、RSI（相対力指数）が7万4000ドル底値時以来の低水準にあるため、「この水準は保持される可能性が高い」と分析した。「今週の週足終値が極めて重要になる」とも付け加えた。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。