米国の銀行株ショックでビットコイン急落　15週ぶり安値　10万ドル割れも視野に

ビットコイン（BTC）は金曜、米国の銀行株急落を受けて15週間ぶりの安値に沈んだ。

「次は9万8000ドルまで下落の恐れ」

トレーディングビューのデータによると、ビットコインは6月以来初めて10万6000ドルを下回った。

仮想通貨市場は、米地方銀行株の下落に敏感に反応した。状況は2023年3月と類似しており、当時も地方銀行の株価が崩壊し、ビットコインとアルトコインがフラッシュクラッシュを経験。BTC/USDは一時2万ドルを割り込んでいた。

「2023年3月、地方銀行株は暴落し、危機は『封じ込められた』とされたが、実際には何も変わっていなかった」と、トレーディング情報サイトのコベイシレターはXに投稿した。

一部のトレーダーは、ビットコイン価格が10万ドルの主要サポート割れを警告している。

If $BTC lose this support, we are going straight to $98,000.

Good Luck everyone. pic.twitter.com/sIjbPPAoOM
— Borg (@Borg_Cryptos) October 17, 2025

他のトレーダーからは、先週バイナンスで米中貿易摩擦懸念を背景に形成された日足ローソク足のヒゲ（10万2000ドル付近）を「埋めに行く動き」を警戒する声もある。

トレーダーのスーパー・ブロウ氏は「$BTCは現在バイナンスのヒゲを埋めている。ここで止まらなければ、週足50移動平均線付近までヒゲ全体を埋めに行く可能性がある」と述べた。

日足ベースの移動平均線は相次いでサポートを割り込み、ビットコインは6カ月以上ぶりに200日移動平均線に接触した。

投資家のテッド・ピローズ氏は「$BTCは10万8000ドルのサポートを失った。次のサポートは10万1000〜10万2000ドル付近しか残っていない」と指摘したうえで、「もしここから11万ドルを奪回できれば反発もあり得るが、それができなければさらなる苦痛が待ち受けている」と述べた。

銀行不安の余波は金市場にも及んだが、金はむしろ上昇を続け、日中取引では史上最高値を更新した。

金強気派はビットコインとの乖離を称賛した。ユーロパックの会長でチーフエコノミストを務めるビットコイン懐疑派のピーター・シフ氏は、金はビットコインより先に100万ドルに到達すると予測した。

同氏はX上で「これは“脱ドル化”取引だけでなく“脱ビットコイン化”取引でもある。ビットコインはドルやデジタルゴールドの代替資産としての試練に失敗した」と主張した。

一方で、別のアナリストたちは「金からビットコインへの資金回転」が近いと見る。

仮想通貨トレーダーのジェレ氏は「市場の動きを見る限り、金から利益が流出し、ビットコインに移るのは自然な展開」と述べた。

同氏が投稿したチャートでは、過去数年にわたってビットコインが金の動きに先行し、あるいは“追随”するサイクルが繰り返されている様子が示されていた

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。