仮想通貨ビットコイン(BTC)は、3月13日に記録的な下落となった。一時4000ドルを割る水準まで下落し、著名なアナリストの中からは「価値がゼロになる」と危惧する声まで出た。しかしビットコインはその後、価格が反発。足元では6900ドルとなり、7000ドルを伺う水準となっている。

仮想通貨取引所ビットバンクは25日、Mediumに最新の分析を投稿。ビットコイン暴落後でも、個人投資家がビットコインへの投資に積極的である可能性を指摘している。

暴落後、口座登録数が増加

ビットバンクによれば、ビットコイン暴落後にも同社の口座登録者数が増加していることがわかった。

3月13~19日の週では、ビットコインの週ベースの口座登録数は、2020年の平均を約40%上回っていたという。

またビットコインが暴落した翌日には、メール登録者数が急増している(下図の緑線)。本人確認(KYC)をパスした口座数も悪影響を受けてはいなかった(下図の青線)。

「暴落以降に取引高が増加したことを考えると、ビットコインへの個人投資家の関心はまったく衰えておらず、実際には下落時に買いを入れているのがはっきりしている」

出典:bitbank.cc  BTC/JPYの推移(オレンジ)、KYCを通過したアカウント数(青)、メール登録者数(緑)

今回は「仮想通貨の冬とは違う」

ビットバンクの分析によれば、今回のビットコイン急落は、2018年11月から12月にかけてBTCが下落した時とは異なる展開になりそうだ。

2018年後半のBTC下落は、2019年前半にかけて仮想通貨市場が停滞する『仮想通貨の冬』につながった。ビットバンクでも、この時期には口座登録数が「打撃を受けた」という。

一方で今回は、取引高が活発な上、取引所への口座登録数も増加。価格自体も先週からは大きく反発している。

ビットバンクは、米仮想通貨取引所クラーケンでの口座登録数増加にも触れ、「この現象が世界的なものである可能性もある」と述べている。

ビットコイン半減期への期待感か

18年後半の下落と、今回の下落との違いを招いたのは「ビットコインの半減期が機能している可能性が高い」と、ビットバンクは述べている。

グーグルトレンドでの「ビットコイン 半減期(bitcoin halving)」が過去数か月間で上昇するなど、半減期による価格上昇への期待が個人投資家の間で広がっている可能性を指摘している。