米仮想通貨規制の混乱、「さらなる取引所の国外流出も」=データ分析企業ザ・タイ創業者【独自】

今週からバイナンスUSで口座登録が始まる。一見、米国での仮想通貨取引所間での競争がさらに激化するとかに見えるが、仮想通貨データ企業のザ・タイ(The Tie)創業者兼CEOのジョシュア・フランク氏は、逆に今後、取引所の国外流出が増えるのではないかと懸念している。コインテレグラフ日本版の取材に答えた。

米国の規制は深刻な状況

米国における規制の不透明感は深刻だーーー。

フランク氏は、米国では仮想通貨交換業、ブローカレージ(仲介業)、トレーディングを巡ってかなり規制の不透明感が高まっていると述べた。例えば、仮想通貨取引所のポロニエックスはバミューダに拠点を移した。フランク氏によると、その他の小規模な多くの企業も追随している。

もし近い将来に規制の不透明感が払拭されなければ、さらに多くの取引所がオフショアに拠点を移すとみている

また、フランク氏が注目したのは、米ヴァンエックが販売対象を機関投資家に限定した「限定版のビットコインETF」を開始したことだ。同氏は「もし来月にSEC(米証券取引委員会)から承認されると信じているなら、同商品の立ち上げをしなかったのではないかと考えている」と述べた。

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ヴァンエックらのビットコインETFの承認期限は、来月の18日だ。

バイナンスUSは、今週から口座登録を開始する

フランク氏は、規制の不透明感に直面しつつも、バイナンスUSとパートナーで米金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)に認可されたバム・トレーディング・サービシーズは「規制を遵守した形で米国の利用者にサービスを提供することを示したかったのだろう」と分析。最初の取引対象を、仮想通貨5つとステーブルコイン1つに制限した理由も規制遵守への意思表示があるとみている。

さらにバイナンスUSの参戦自体に関しては、取引所の手数料削減やイノベーションの促進などで利点があると話した。

取引所なくブローカレージ主体へ

フランク氏は、今後、取引所からブローカレージ・プラットフォームへの移行がみられるようになるだろうと述べた。ブローカレージ・プラットフォームは、利用者を取引所や他の流動性のプールに誘導し、最適な価格での取引実現を目指す仲介プラットフォームだ。株式市場でも同様な流れが過去に見られたという。

「あまりにも多くの取引所が存在する一方で主要な仮想通貨以外で流動性が少ない中、利用者は注文時に深刻なスリッページ(注文価格と約定価格の差)に直面している

フランク氏によると、機関投資家向けの商品がまずスリッページの問題に対処をはじめている。近い将来に個人投資家向けの選択肢も増えるとみている。

個人投資家の存在感が薄れる

直近ではスリッページの問題が個人投資家にとっては痛手で、機関投資家にとっては状況が改善されてきている。現在の仮想通貨市場が機関投資家主導である背景だ。

フランク氏によると、2017年、ビットコインに関するツイートは1日あたり9万超ツイートあった。しかし現在は約2万8000ツイートまで激減。69%のマイナスとなっている。

(出典:The Tie「ツイート数と時価総額」)

2019年6月あたりまではツイート数と時価総額が連動していたが、その後は乖離し始めている。

また、ザ・タイが開発したビットコインのNV Tweet Ratio™が過去最高を記録した。

NV Tweet Ratio™は、時価総額とツイッター数を比較したもので、仮想通貨の時価総額を100万で割り、その後30日間の平均ツイート数でさらに割ることで算出される。

(出典:The Tie「ビットコインのNV Tweet Ratio™」)

フランク氏は、ビットコイン価格はSNSの活動状況の数倍と歴史的にも最高水準で取引をしていると解説。機関投資家の関与が増えて個人投資家の関与が減ったことを示していると述べた。