タイ中央銀行は、今月中に規制緩和サンドボックスでリテール用中央銀行デジタル通貨(CBDC)のパイロットプロジェクトを開始する。現地メディアによれば、3つの決済プロバイダーが参加する予定だ。プロジェクトは最大1万人のユーザーが参加し、8月まで実施される。

タイ中央銀行は、アユタヤ銀行(クルンシイ)、サイアム商業銀行、シンガポールの決済サービスプロバイダー2C2Pと提携してプロジェクトを進める。これらの組織は、ウォレットとQRコードスキャナーが含まれたアプリを選択されたユーザーに提供する。

アユタヤ銀行は、最大2000人のスタッフと、同行本店周辺の約100の事業者をプロジェクトに参加させる予定だ。プロジェクトはプルンチット支店にも拡大される。クルンシイ・イノベートのマネージング・ディレクターであるサム・タンスクル氏は、「リテール用CBDCとプロンプトペイサービスを区別する戦略を決定する必要がある」と語った。

サイアム商業銀行のパイロットプロジェクトも、クルンスリと同様に、スタッフと近隣の事業者が参加する形で運用される予定だ。

パイロットプロジェクトは昨年8月に発表され、当初は2022年に開始予定だった。タイ中央銀行は、このプロジェクトを「学習するための試験的なもの」であり、正式なCBDCの発行計画はないとしている。

タイ中央銀行は2018年にホールセール用CBDCの開発を発表した。同行は、国際決済銀行のmBridgeプロジェクトや、香港金融管理局とのプロジェクト「インタノン・ライオンロック」に参加している

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン